「南極観測船しらせ」からのメール(下)

前回のさらに続きです…。

 

普段、何気なく新聞やニュースで報道されているが、南極観測隊の動向は思った以上に頻回に記事にされている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53986580Z21C19A2CZ8000/

https://www.47news.jp/national/science-environment/4374094.html

https://www.asahi.com/articles/ASMCJ75PFMCJULZU00N.html?iref=pc_ss_date

 

そして、実際に「南極観測船しらせ」からのメールが時々送られてきていたのだが、その一部を要約して、少しだけご紹介したいと思う。分かりにくい箇所は、随時報道の記事にて補足していく。

 

12月2日に第61次南極観測隊は、オーストラリア・フリーマントルを出港。

このオーストラリアまでは、飛行機で移動。海上自衛隊員などの隊員は、すでに11月12日に東京・晴海客船ターミナルからしらせを出港させていたとのこと。

https://this.kiji.is/566806111859065953?c=39546741839462401

第61次隊の大切なミッションの一つに、気候変動に伴って融解が懸念されている南極の「トッテン氷河」を集中的に観測することがある。昭和基地の周辺では池の底の堆積物を採取し、昔の南極氷床の状態を探るとのこと。ヘリコプターで氷河上に降り、厚さを測るセンサーを設置。観測隊によると、トッテン氷河が全て解けると地球の海面は約4m上昇するとされる。海上に張り出した氷河の末端の下に比較的暖かい海水が流れ込むことで解けるとみられる。

https://this.kiji.is/579276517543674977?c=39546741839462401

 

実際に小嶋医師も、調査に向かうヘリの最終便に乗せてもらうことができ、空の上から南極を見てきたとのこと。「感動です!!動画を見せられないのが残念」と言っていた。

実は、「船内では限られた容量の範囲内でメールしています。返信してもらう場合は、この文章を消してメールしてもらえると容量を少なくできます」とも書いていた。全隊員で、少ない容量を共用しているそうで、動画送信どころか、インターネットも使用できない環境のようだ。

 

ヘリコプターから見える光景として、「アデリーペンギンやコウテイペンギン、ウェッデルアザラシ、ユキドリなどの生き物にも出会えました。ユキドリは、真っ白でかわいいです。大きな氷山、ほぼ日が沈まない景色、これもなかなか貴重な体験です」と書いてあった。別の日には「昨日は鯨を見ました。背中と尾ひれ、潮を吹いているところしか見られなかったけど、なかなか生でみることもないので良かったです」とも。

また、「毎日20分以上は走り、youtubeのコピーを見ながらヨガをしています。今日は、雪の中で甲板を走ってきました」とのこと。やはり、医師の不養生ではいかんとのこと。大変な環境下での任務にもかかわらず、きちんと体調管理をしているのは偉い‼

自分は年末年始に帰省して、結局色々食べ過ぎてしまって、見事に太ってしまったというのに…(汗)。

 

クリスマス会や忘年会では、サックスやパーカッションを演奏したりして、船内を盛り上げているとのこと。ここ数年趣味で始めたサックスを持っていくということで、お茶の水の楽器屋街にも行っていたようだが、実際にこうやって盛り上がっているとは…。

 

内容がよく分からなかったのが、以下の文。

「0時にしらせの汽笛を外で聞いて年越しをして、初詣にも行ってきました。」 初詣とはなんだ??

メールで確認してみたところ、教えてくれた。

「しらせの船中に富士山本宮浅間神社の神棚があり、自衛隊員が神主さんに扮して、「初詣」とあいなりました」とのこと。自衛隊員さんはいったい何役こなすのか⁉

 

まあ、とにかく知らないことだらけで、かなりメールだけでも刺激的な内容なのだが、また気まぐれにメールが送られてくると思うので、これからも楽しみにしたいと思う。