オリンピックイヤーに、都内の公共交通機関を利用していて思うこと

いよいよオリンピックイヤーになった。しかも日本・東京での開催ということで、何となく世の中がソワソワ、ウキウキしているように感じる。

 

ただ、実際のオリンピック開催時期の都内の混乱については、なかなか想像できないところもあり、どの程度対策を打っておくべきか悩ましいのも事実である。私も産業医として行っている豊洲にある会社は、開催期間中、なるべくテレワークにして、出勤社員数をできるだけ減らすように対策を進めている。実際に、そういう方針の会社も多いと思われる。

 

東京都も開催期間中、車両の通行止めを含め、自家用車の利用を制限するように呼びかけている。そうすると、公共交通機関の利用をなるべく促す必要が出てくるのであるが、正直、もう少し各駅の案内表示に配慮していただけると有り難いなと感じることがしばしばある。

 

特に、知らない駅で下車して、改札を出た時に、「さて、どちらの方向に行けばよいか」と思った時に、近隣の地図表示がない駅が少なからずある。こういった時は、知らない土地なので、そもそも右・左のどちらの方向に行くかのすら分からず、大変困ってしまう。

また逆に、駅のホームに着いた時も困ることもある。今から乗る電車の何号車に乗っておくと、降車時の乗り換えに便利なのかと思い、沿線駅のエスカレーターや出口の情報がないかホーム見渡してみると、意外にも全然その情報が見当たらないことも多い。混雑しているために探せないまま電車に乗り込んでしまって、降車後、全然逆方向だとがっかりすることもしばしばある。

 

何故、「おもてなしの国」日本において、こんなに電車利用時の基本中の基本である情報が不親切な状態で長年放置されているのか。しかもオリンピック開催直前の東京でさえ、未だになかなか改善がみられないのか、正直不思議でしようがない。

 

例えば、改札からエスカレーターで降りて来ると、ホームのその辺りは非常に混雑しやすい。そこに降車駅の情報がすぐに目に入れば、自分の一番都合のよい車両まで自発的に移動してくれる人も多いと思う。

 

そして、そもそも観光客の人達も、この様な案内板が適材適所に置かれていれば、安心して電車に乗ることができるし、イライラすることもない。様々なトラブルの予防にもなると考えられる。

現在、都内の多くの駅で改修工事がされているが、是非「おもてなしの心」に寄り添った、気配りの行き届いた案内にも力を入れてほしい。

障碍者の目線で改善することも重要だし、そして、その土地・その駅に不慣れな人達のニーズを十分に満たす「おもてなしの心」も、あと残り半年でどんどん発揮していってもらいたいと思う。