「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版」を読んで

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版」(日本痛風・尿酸核酸学会 編集:診断と治療社2022)を読んだ。

 

最近、職域の医療者の皆さんに各疾患のガイドラインを見るように促しているものの、このブログで書くことが無かったことに気がついた。このため、ちょうどこの追補版が出版されたので、僕の感想も含めて紹介しようと思う。

近年、高尿酸血症・痛風の治療薬はいくつか新しく発売され、かつてのようにザイロリックだけといった状況が一変し、この領域のエビデンスも刷新されつつあり、活気づいてきている。

 

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」は、2002年に第1版が発刊され、ちょうど20年が経つとのこと。今回は、2018年に第3版が発刊されて以降、選択的尿酸再吸収阻害薬が発売され、かつ、臨床的に非常に重要な3編のランダム化治療介入研究の結果が発表され、新しいエビデンスが増えてたことについて、加筆されている。さらにこれらとは別に、近年のガイドライン自身の在り方が時代とともに変化(進歩)してきており、ガイドライン発刊後に医療への効果をモニタリングすることが義務付けられるようになってきている。このため、学会で行ったアンケート調査結果の報告もあり、これも踏まえた今後の課題についても言及されている。

 

医学的エビデンスをまとめて、ガイドラインを作成していくだけでも大変な作業であるのに、こういった社会的背景にも気を配りながら、1冊の本にまとめていくということは、本当に膨大な時間や努力の結集があってこそだと、どのガイドラインを手に取る度にいつも感謝の念を持つ。そういった思いがこもっていることも、世の中の方々に知ってほしいと思う。

 

また、クリニカルクエスチョンと推奨文が紹介されており、推奨の強さと方向、そしてそのエビデンスの強さが示されている。例えば、痛風結節を有する患者は、薬物治療により尿酸値を6.0mg/dl以下にすることについては、「実施することを推奨する【C(弱)】」となっている。ある程度知識が無いと、なかなか意味合いがしっかりとは理解しにくいかもしれないが、こうやって医療の質を保っているということも知ってほしいと思う。

 

食事や運動についての効果も、様々な医学的エビデンスを紹介されているので、多くの人達に、飲酒やプリン体含有量の多い食品などを含め、正しい知識として是非知っておいてほしい。そして、医療機関のみならず、健診機関や保険組合、職域の産業医や保健師さん達の中でも、是非、職場に1冊置いていただいて、みんなでこのガイドを基に、高尿酸血症や生活習慣病についての保健指導に役立てていければと思う。