デロンギのエスプレッソマシン②

ずっとコーヒーが飲めなかったので、例えば外食で、デザートと飲み物がサービスされるような時であっても、コーヒーは避け、紅茶を頼んでいた。

そうは言っても、どうしてもコーヒーを飲まざるを得ないシチュエーションの時もある。

そういう時は、仕方なく胃もたれ覚悟でコーヒーを飲んでいた。

 

しかし最近、不思議なことにコーヒーを飲んでも胃もたれしなくなった。

このため、おっかなびっくり、自ら進んでコーヒーを注文してみたのだが、それでも大丈夫なので、本来の好みであるエスプレッソを頼み始めた。

 

そんな折、テレ東のカンブリア宮殿を観ていると、村上龍が「僕は普段、エスプレッソしか飲まないんです」と言っていた。僕はその瞬間、「これだ!」と思った。

 

コロナ禍で在宅ワークすることも増えたこともあり、1年前から朝食時に自分でコーヒーを淹れるようになった。夏場はアイスコーヒーをボトルで買って飲んでいたのだが、だんだん寒くなってきて、どうせまた自分で淹れるのであれば、エスプレッソにしたいと決意した。

 

早速、インターネット等で調べてみると、デロンギのエスプレッソ・マシーンが良さそうだということが分かった。

 

買うのであれば、家電量販店かなと思い、平日の夕方に行ってみた。

すると、デロンギの店員さんの実演説明に、スマホで動画を取りながら熱心に聞き入っている40歳代と思われる夫婦がいた。

ちょっと時間がかかりそうな感じだったため、別の売り場にも用があったので、それを済ませて戻ってくるとまだ同じ状態で夫婦が熱心に説明を聞いていた。

 

仕方なく、しばらく待っていたのだが、それでも全然終わる気配がしないため、店員さんに「僕も少し説明を聞きたいと思っているのですが」と声をかけた。

やっと夫婦への説明が終わり、その後店員さんに色々話しを聞いてみると、実は「予約を入れて、実演の説明を聞きに来ているお客さんが多い」とのこと。

お洒落な葉っぱなどの絵を描くカプチーノやカフェラテを自宅で作るための説明を受けるためには、20分以上かかるとのこと。

確かに、先程の夫婦もまさしくその描き方を熱心に聞いていて、スマホで動画まで撮っていた。

 

僕としては、純粋にエスプレッソが飲みたいだけで、そもそも乳糖不耐症なので、コーヒーに牛乳は決して入れない。

 

しかしながら、在宅勤務が増え、自分でお洒落な絵柄のラテアートを作る人が増え、この予約もいっぱいだとのこと。

こんなところでも、コロナで景気がよくなっている商売があるのかと思った。そして、予約しているのを知らずに、横から邪魔してしまった自分を恥じた。

 

 

今まで全く関心が無かったので知らなかったが、そもそもエスプレッソを自分で淹れること自体が、かなりテクニックを要するらしい。

ご存知だろうか? コーヒー豆の量もそれに圧をかける力加減も、すべてが絶妙でないとダメらしい。

そういった覚悟が無いと、手動のエスプレッソマシンを購入するのはお勧めできませんと店員さんに言われた。

 

かと言って、自動でエスプレッソを入れてくれるマシーンはどれも10万円以上する代物で、マシーン自体もかなり大きく、キッチンに置くにはちょっとという大きさになってしまう。

そういう世界のものなんだと、初めて知ったことばかりであった…。