年号が変わる時に思うこと

昨日、新しい年号の発表がありましたが、皆様の感想は如何でしょうか?

僕は「令和」という年号は、馴染んでくればカッコイイ名前に感じるようになるのではないかと思います。

 

ところで、前回年号が変わった時、皆さんは何をされていたでしょうか?

私は高校3年生の冬でした。通常であれば大学受験直前という時期。しかし、当時の私は…。

 

 

その日、超満員のお客さんが来ていただいた吹奏楽部の定期演奏会が終わり、京都会館を撤収し、同級生で深夜のマクドナルドで簡単な打ち上げをし、クタクタになって家に辿り着き、翌朝演奏会後の部室の片付けのために何とかゴソゴソと起きてきたところ、テレビではすべてのチャンネルで「昭和天皇ご崩御」のニュースを流していた。そんなシチュエーションであった。

 

実はこのため、我々の定期演奏会自体が実際に開催できるか否か、直前まで全く見通せなかった。もし万が一、昭和天皇がご崩御された場合は、演奏会中止もやむを得なかった。

 

例年であれば、お正月の時期なので、演奏会の中に「新年明けましておめでとうございます」といった、お正月に相応しいパフォーマンスを随所に入れている。しかしこの年だけは、全ての「あけおめ!」のパフォーマンスを当日変更できるようにあらかじめ念頭に置いて準備をしていた。

そういった意味では、間一髪間に合って、高校生活最後の定期演奏会を、無事明るい演出で、昭和64年という時代に終えることができた。

 

実は当時、我々吹奏楽部の定期演奏会のチケットは即日完売状態で、2千人入る大ホールなのだが、立ち見のお客様が相当数出てしまい、京都会館側から消防法違反になるから、何とかするようにと毎年厳しく注意されていた。

この後、1回だけの公演ではとても収拾がつかないため、昼夜の1日2回公演に変更することとなった。

 

実は、全国大会常連校の吹奏楽部の定期演奏会では、複数回公演は珍しくない。

今回の春の選抜高校野球大会で大変注目されている千葉県・習志野高校では、以前そのブラバンOBと話しをしていた時に、2日間で3~4回公演していると言っていたので、驚いたことがある。

あの「美爆音」をホールの中で、マーチングなどのパフォーマンスで聴くと、否応なく会場内全体のテンションは上がっていく。それをまた聴きたいという人で、どんどん毎年来場者数が増えていくという要因となっていく。

そう言った意味で、是非一度、吹奏楽部の定期演奏会を聴きに行かれることをお勧めしたい。甲子園のアルプススタンドの熱気を感じることができると思う。

 

僕らも男子校だったので、「美爆音」は得意中の得意であった。私自身、そういった熱狂的な盛り上がりの中で演奏できた、あの時の定期演奏会は本当に忘れられない貴重な思い出である。

 

実際にはその後、もちろん受験に失敗し、泥沼の3浪生活に突入していくことになる。

そして、浪人生時代は、もう二度と楽器はやらないと心に誓っていた。当時は、音楽で自分の人生をだいぶ狂わせられたという思いも、大きく持っていた。

 

しかし、あれから30年も経ち、今回の「改元」にあたり、あの時に「通常の受験生ではできない体験を少なからず積んできた」からこそ、今も人とは違う働き方でやってみようと思えているところがある。

 

そして、観客の方々が喜んでもらえるような演奏をするということと、組織の中でスタッフみんなが充実して働けるマネージメント作りをするということが、僕には同じに思える。

それを自分の仕事の中で体現でき、そして多くの働く人達が充実した働き方ができるように、「令和」の時代、より一層頑張っていきたいと思う。