業界を越えたワークシェアリング

新型コロナウイルス感染症のために、本当に多種多様な業種において、売り上げ等の影響が大きく出ている。そういった中で、雇用の問題は最も深刻な問題であると言える。

 

一方で、この緊急事態宣言下において急に忙しくなっている業態もいくつかある。その最たる業種は宅配関連であろう。そうは言っても、突然の人員不足を簡単に補うことは極めて難しい。かたや、全く仕事がなくなって非正規雇用者は解雇されてしまった方も多いと聞く。

 

そこで、今回このアンバランスを是正するために注目されているのが、業界を越えた「ワークシェアリング」である。日本経済新聞2020年5月4日朝刊1面トップにも記事が載っていたが、先日、ニュースでは、都内の休業を余儀なくされている飲食店の従業員を出前館で一時的に雇用して、急増する宅配需要に応える取り組みを行っていることが紹介されていた。それ以外にも、農業で収穫を迎えている作物があると、その時期は人手が多く必要となる。このため、宿泊者が激減した地元のホテルや旅館の従業員にヘルプで来てもらって、収穫作業を手伝っている風景も紹介されていた。

農業業界も、中国・アジアからの実習生が帰国してしまい、深刻な人手不足となっているとのこと。異業種からの「ワークシェアリング」は渡りに船であるとのこと。

 

こういった異例とも言える取り組みは、日本だけでなく欧米や中国でもすでに行われ始めているらしい。

ボランティア活動だけでなく、きちんと収入が得られる形で、お互いがWinWinの関係でいられる、このような取り組みが、今後どんどん増えていけばと思う。

 

そして、大学生がバイトをできなくなり、退学すら考えなければいけなくなっている学生も日々増えてきてしまっているとのこと。

こういった観点からも、どんどん今までとは異なった分野でのバイトもできるように学生をサポート支援して、若い人達がきちんとした生活や学業に打ち込めることが継続できるように、色々と知恵を絞る必要があると思う。

そういった意味では、医療機関や産業保健業界でも、今までは学生バイトは少なかったもしれないが、一時的に出も彼らに働いてもらうこともアイデアの一つであると思う。

何とか、みんなで知恵を出し合って、上手にこの未曾有の緊急事態を乗り越えていきたい。