酸っぱいエスプレッソと、土のようなエスプレッソ

皆さん、エスプレッソというとどんな味を想像されるのであろうか?

 

一般的には、コーヒーよりもかなり濃い、深煎りのものをイメージされるのではないだろうか。

 

ただ時々、カフェでエスプレッソを注文すると、どしっとした濃い味わいというよりは、酸っぱい味わいのエスプレッソが出てくることがある。

そういった時、僕としては、正直、まったく納得がいかない感じがする。

「500円払って、これか!?」と思ってしまうこともある。

 

なぜそんな酸っぱいものが提供されるのか、全く知らなかったのだが、今の流行りであるらしい。そういったエスプレッソは、中南米産などで、敢えてそういった味わいを楽しむものらしい。

それを、「柑橘系のフルーツを感じさせる酸味のあるエスプレッソ」などと表現している。

 

一方で、僕がイメージしている土みたいなドシっとした渋みや苦みが強い味わいのものは、南イタリアの伝統的なものらしい。

 

そういった地方では、1杯150円くらいの値段で、くいっと一口で飲み干せるようなエスプレッソが、カフェ(BAR;バール)のカウンター越しに買えるらしい。

その地元の人達は、日に何回もカフェにサッと立ち寄り、150円だけ払って、グイっと一気飲みして、さっさと仕事場へ戻っていくというのが日課だそうだ。

 

まさしく、僕も本当はそういったスタイルが一番理想的だと思っている。

 

ちょっと疲れて、眠気が出てきて集中力が切れそうな時に、サッと1杯引っかける。そして、すぐに仕事に戻る。なかなか日本ではそういったスタイルで仕事をすることはできない。

そもそもコーヒー流行りではあっても、エスプレッソを飲んでいる人などほとんど見かけない。

エスプレッソを飲んでいたとしても、それはカプチーノやカフェラテといったミルクをたっぷり入れた代物である。

 

ただ、僕が表現した土みたいにどっしりとしたというのは、品もセンスもまったく感じられない表現なようで、コーヒー業界のプロたちは、深入りでありながらフルーティーな香りも感じさせる上品な味わいなどと表現するらしい。

自分の味音痴さが悲しい…。

 

本当に、全くの無知から入ってきてしまったので、何もかもが知らないことだらけで、意外にそれが面白いと、今のところは思えている。

ただ、あの少ない量のエスプレッソを買って、自分の思っていたものと全く異なり「外れだ」と感じた時のやるせなさは、結構ダメージが大きい。

是非、ちょっと気取ったエスプレッソを出すお店では、南イタリア風のクラシカルな味わいではありませんよとか、分かるように事前に明記するとか、教えてもらえるようにしておいてほしい…。