静岡外勤終了

お世話になっていた沼津のクリニックの外来が終了した。
伊豆長岡に単身赴任してから、奇しくもちょうど10年。一つの区切りとなった感じだ。

それまでは、伊豆には普通に何度か温泉目当てに旅行に来たことがあったが、三島・沼津といわれても、今までは特に立ち寄ることすら、正直なかった。

ただ、実際にこのエリアの地理感が分かるようになると、非常によい所であることが分かってきた。特に、東京駅から三島駅まで新幹線こだまで55分。さらに、あの新幹線の座席シートで座ってこれるため、在来線とは比べ物にならないくらい快適である。ご存知の通り、東海道線のグリーン車よりもシートはかなり素晴らしい。
このコロナ禍で、在宅勤務が当たり前となり、毎朝定時に出社するといった必要性も無くなった方も多いと思う。

実際、コロナ前でもすでに、平日夜に東京駅から新幹線に乗ると、新横浜駅までに座席は満席。それが、三島駅に到着すると、新幹線の中の半数以上が降りてしまうという状態であった。
この、遠隔通勤されていた方々にとっては、在宅ワークの目覚ましい発展は、非常に恩恵を受けるようになったのではないだろうか。もしかしたら、高額な定期券を買うことなく、回数券程度で十分になった方もおられるのかもしれない。

新幹線だと、三島まで片道4000円。回数券だと約3500円程度。週1回の通勤なのであれば、だいぶ負担額は軽減されることになる。そしてもちろん、土地が安く、広々とした一軒家に暮らせる可能性も高くなる。そして何より、気候が温暖。とにかく、東京に比べると、夏はあそこまで猛暑にはならず、そして、冬もあまり寒くない。
加えて、とにかく海の幸が美味しいし、お寿司屋さんのクオリティは軒並み高く、一方でその値段は東京の半値程度で済む。
本当に、伊豆にいた頃は、単身赴任から週末戻って、家で刺し身が出されたり、東京でお寿司屋さんなどに行く機会があったりした時は、逆に苦痛すら感じていた。これは、どの医局員もほぼ同様のリアクションであった。ただ、東京の人達にはそういった素振りができないのが、また気を遣うという意見も一致していた。それくらい美味しいのだ。

しかも、気候が温暖なところは、住民も温厚な人が多いと言われたりするが、静岡もまさにそういった場所である。東京や関西に比べ、本当に温厚な人が多い。外来をしていても、クレーマー的な振る舞いをする人は非常に少なく、そういった意味では、安心してこちらも外来ができる。これも多くの医療者が異口同音に、同じような感想を言っている。

そういった素晴らしいところを離れてしまうのは、非常に残念ではあるが、自分の中で次のステップに進むためには、どうしても必要なことでもあるため、改めて気合いを入れ直して、頑張っていきたいと思う。