7月 2018

血管のオートファジー機能低下が動脈硬化進展や大動脈瘤形成を促進する

~ 血管障害のメカニズム解明による新規予防・治療薬開発の可能性 ~

 

昨日の日本経済新聞朝刊を読んでいたら、私の医局の後輩にあたる、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の三田智也准教授、遅野井 雄介助教らの研究グループが、血管障害にオートファジーが重要な役割を果たしていることを発見したことを、科学雑誌「Autophagy」オンライン版(2018年7月19日付)に発表したという記事を載せいていた。

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15548627.2018.1501132

 

オートファジー不全モデルマウスの解析により、血管平滑筋細胞のオートファジーの機能低下が細胞死や細胞老化を引き起こし、また、動物性油脂を主体とした高脂肪、高カロリー、高コレステロール食の摂取による動脈硬化の進展と大動脈瘤の形成を促進すると、順天堂大学ニュースで報じられている。

https://www.juntendo.ac.jp/news/20180723-02.html

 

今までも三田先生らは、糖尿病やその他の生活習慣病と動脈硬化の関連について研究を進めてきたが、今回の研究は、血管平滑筋細胞でのオートファジー機能が、血管障害予防・治療の新たな標的となる可能性が示唆される。

 

そして今日、本当に偶然、山手線で三田先生とバッタリ会った。日経新聞を読んだよと伝えたら、嬉しそうに「有り難いことに取材してもらいました」と話していた。なかなか日の目をみれない時期もあったが、文句も言わず黙々と研究に打ち込んでいた姿も見ていただけに、是非、今後も彼の素晴らしい活躍を期待していきたい。

事務所を実際に立ち上げてみて、分からないことも正直たくさんあり、右往左往することが多いのが現状です。

その中で、事務所開業のご挨拶状を今までお世話になった先生方にお送りすることもかなり遅れてしまい、大変失礼をしてしまいました。

 

そんな中で、送付してすぐに、私の糖尿病医療の恩師でもある現在順天堂大学医学部特任教授の河盛隆造先生や、以前から糖尿病患者さんの心理について色々お教えていただいている奈良県立医科大学糖尿病学講座教授の石井均先生などから、早速レスポンスをしていただき、正直慌ててしまいました。

この様な大御所の先生方から、励ましのお言葉や、挨拶状についてのリアクションをしていただけるとは、私自身あまり考えておらず、正直想定していませんでした。それと同時に、これらの先生方にこの様なことでもちゃんとレスポンスをいただけるものなのだと、本当に心から嬉しく思っております。

 

リアクションされてくることを想定していなかった、自分自身の至らなさをひしひしと感じるとともに、

数多くの方々から尊敬される先生方というのは、やはりこういう日頃の些細なことでもきちんと普段から対応されているのだと、改めて身を引き締める思いになりました。

今週、田村好史先生の講演を聴いてきた。

田村先生は、順天堂大学国際教養学部教授、順天堂大学医学部内科学 代謝内分泌学講座 准教授、順天堂大学スポートロジーセンター・運営委員長と、40代半ばの若さですでに、順天堂大学の中でも重要なポジションで働いておられる先生です。

2年前からは、スポーツ庁の参与も併任されており、今や日本を代表する「運動療法の大家」と言える存在なのではないだろうか。

実は、私の1学年上の先輩で、私が入局してからずっとお世話になり、また、一緒に仕事や研究をしてきた仲間の様な存在でもあります。

今回は、15年以上にもわたりずっと臨床研究に取り組んでこられた一連の研究成果を発表されていた。特に興味深かったことは、BMI23.0以上25.0未満の中年男性では、「脂肪肝+内臓脂肪を認めると、骨格筋のインスリン抵抗性が高まる」というデータを示されていた。また、運動不足等により、「骨格筋の筋肉の質が低下すると、メタボリックシンドロームを助長するだけでなく脂肪肝とも有意な相関関係を認める」ということも非常に興味深かった。これらは、私の後輩でもある竹野先生や船山先生、門脇先生らの研究結果でもあるのだが、これらの「肝筋連間」といった新しい概念も今後は念頭において、外来や保健指導を行っていきたいと思う。

「啐啄同時」

これは、禅の言葉です。

鶏の雛が卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音を立てることを「啐」と言いいます。

そのとき同時に親鳥が外から殻をついばんで破ることを「啄」と言いいます。

この「啐」と「啄」が同時になってはじめて、殻が破れて雛が産まれてくるのです。

雛が無事に卵から産まれ、成育していくためには、「啐」と「啄」のタイミングが絶妙に行われる必要があるように、

健康増進においても、企業やその社員がやる気になった時に、

そのタイミングで我々医療者の専門的な知識に基づいた的確なサポートが上手く手を差し伸べられることが、大変重要ではないかと考えております。

 

実は、この言葉、たまたまNHKのテレビ番組【プロフェショナル】を見ていた時に、たしか九州の公立小学校の先生が取り上げられており、その先生が仰っていた言葉になります。非常に良い言葉だなと、私の心に響いたのを覚えております。

 

このテレビを見ていた当時、私は、担任赴任先の伊豆の病院で、糖尿病支援入院に力を入れておりました。

色々な理由で、なかなか入院されることがなかった糖尿病患者さんが、何かの縁で、やっと入院されることにより、糖尿病としっかり向き合う様になり、中には劇的に改善される方も少なからずおられました。

主治医として、毎週毎週こうした患者さんを診させていただく毎に、ある意味ご縁を感じるところがありました。その時に、この「啐啄同時」の言葉と出会いました。生活習慣病の改善を行っていくためには、この言葉の様に患者さん・対象者の方々が上手くやる気になるタイミングを作れる様、我々は日々努力し、そして、このタイミングを逃さない様にし、そのタイミングがやってきた場合は、心が通う様にお話ししながら、その患者さん・対象者の方のやる気をできる限り一気に引き出せるようにコミュニケーションを取っていくことが大切なのではないかと考えております。

 

「言うは易く行うは難し」で、実際にはなかなか上手くいかないことも数多くありますが、今後も自分なりに微弱ながらでも頑張っていきたいと思っております。

この度、Basical Health 産業医事務所という名前をつけて、仕事を開始いたしましたが、

実は「basical」と言う英単語はありません。

食事や運動といった糖尿病やメタボリックシンドロームの基本的(basic)なことでも、まだまだ知られていないことがたくさんあります。

その基本的な(basic)従来の食事・運動療法も大切にしながら、そこに新しい健康増進の取り組みも積極的に取り入れていこうという意味合いを「basical」という造語に込めて、Basical Healthという名前に致しました。

Basical Health 産業医事務所では、皆様の健康維持に貢献できるように、健康増進に対する様々な取り組みを積極的に取り入れて、提供し続けていきたいと考えております。

はじめまして。

Basical Health産業医事務所 代表の佐藤文彦と申します。

「健康な人が、これからもずっと健康で働き続けるために、医学的な専門知識を活かし、社員みなさんの健康をサポートします。」をコンセプトに、この春にBasical Health産業医事務所を立ち上げました。

私自身は、糖尿病専門医であり、産業医でもあるため、特に生活習慣病予防対策に力を入れた職域での健康増進を図っていきたいと考えております。

そうした、現段階では珍しい立ち位置の私の視点から、最新の生活習慣病関連のトピックなども織り交ぜながら、少しずつでも情報発信していけたらと考えております。

至らぬ点もあるやもしれませんが、

今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。