3月 2021

本の出版に追われ、それ以外の様々な仕事が滞ってしまっていた。

このため、本の出版の喜びに浸る間もなく、別の原稿の締め切りなどに追われる始末である。

 

大抵、京都に帰省すると、通常であれば、実家でゴロゴロしながら家族でお互いの近況報告等をしたりしている。

今回も、基本的にはその様に過ごしていたのだが、どうしても締め切りが迫っているものが2つあった。

 

実は、京都にいた頃、浪人生時代もほとんど家では勉強をしていなかった。

では、勉強する時はどの様にしていたかと言うと、とにかく予備校か図書館であった。ただ、予備校はあまり近くなく、夜であれば公営の図書館などはもちろん閉まってしまう。

 

そこで、僕が行っていたのが「私設図書館」である。実は、インターネットで「私設図書館」と検索すると、銀閣寺道の交差点傍にある「私設図書館」が真っ先に出てくる。

ここは、原則「私語厳禁」であるのだが、昭和48年開設の本当に古き良き昭和の2階建ての一軒家程度の大きさの建物だ。入り口を1歩踏み入れると左手が受付で、そこで着席する席を指定する。そして、手書きの入室時間が書かれたしおりのような紙を受け取り、その席に行く。

料金も良心的で、週末は4時間以内360円。1杯コーヒーか紅茶のサービスがある。先程のしおりの下部分が、その無料飲み物チケットになっており、そのチケットを入り口の受付に持っていくと、準備が出来次第、自分の席まで従業員が持って来てくれる。

僕は、昔と同じように2階の席を確保したのだが、わざわざ階段を上って持って来てくれた。

それ以外にも、冷たいほうじ茶は無料で飲むことができる。昔は黒い大きめの茶碗に入れて、これも従業員の方が持って来てくれていたのだが、今はコロナの影響で、紙コップが用意されていた。

 

勉強に来ているのは、通常は何かしらの受験生。高校生か浪人生である。今の時期は、受験生はいないと思われるので、学生や社会人が目に付いた。

 

僕が浪人していた頃は、団塊ジュニア世代なので、受験生で溢れていた。そして、1年中席を確保しているような司法試験を控えている大学生がチラホラいた。

 

今や、こんな歴史ある古い建物の「私設図書館」であるが、Wi-Fiが完備されており、各席にはコンセントが2つずつ備えてあり、時代の流れを感じずにはおれなかった。

 

近年は、そういったノスタルジックな建物や雰囲気が注目され、NHKなどのメディアでも何度も取り上げられており、その館内の風景などは、是非、インターネットなどで検索してもらえればと思う。

 

今や在宅勤務やノマドワーカーなども一般的になり、こういった場所で仕事を行うことも珍しくなくなってきた。

 

そうすると、かつては浪人生や大学生が勉強するところだった、この「私設図書館」も、社会人との場所取り合戦が激化しているのではないかと、勝手に心配してしまう。

 

お蔭様で、思った以上に締め切り原稿も捗り、無事に提出することができた。やはり、僕にとっては、「私設図書館」の存在が本当に有り難い。もしこの「私設図書館」が近くに無ければ、とても医学部になんか入れなかったと思う。

 

家に帰ると父親がポツリ「お前は本当にあそこの図書館がすきやなぁ」と呆れられてしまった。

2冊目の本の出版が無事にでき、皆様には本当に感謝申し上げます。

 

さて、これからは、しばらく滞っていたブログを再開していきたいと思います。

非常にコアな皆様、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

2冊目の本を持って、先週末に京都に帰省した。

もちろん京都もコロナの影響を大きく受けており、ここ数年続いていた大量の外国人観光客は影を潜め、

昔の京都が戻ってきた感があった。

 

残念ながら、満開直前のタイミングであったが、それでも思った以上に桜も咲き始めており、雨が降る前にと、銀閣寺道の交差点から「哲学の道」に桜見物に行った。まだ3分咲きといったところであったが、久しぶりに「哲学の道」に桜が咲いている時期に足を踏み入れた。

働きだしてからは、それなりにずっと忙しく、なかなか桜のシーズンに京都に帰省するといったことは叶わなかった。

子供の頃は、当たり前のように毎年春になれば、ここの桜を見ていたし、「桜」と言えば、自分にとってこの「哲学の道」の桜が真っ先に思い浮かぶ。

 

かつては、さほど外国人観光客も多くはなく、また、一角を除けば、それほど観光客向けのお店も多くなかったので、ある程度常識の範囲での混雑であった。

 

ただ近年は、京都中に観光客が押し寄せ、あらゆる観光スポットは凄まじい混雑となっており、バス停も長蛇の列、観光バスも数珠つなぎで、交通渋滞が深刻で、まさに「オーバーツーリズム」の状態であった。

 

それが、この週末では、3分咲きとは言え、観光バスの駐車場には1台も観光バスが無く、「哲学の道」沿いのカフェや土産物店も程よい込み具合で、ゆったりと散策できた。

こういった京都は、正直、本当に久しぶりで、懐かしい感じがした。

もしかしたら、もうこういった京都を味わえるのは、これから何十年も無いのかもしれないとも思う。

 

商売をされている方々からすれば、この人出の少なさは迷惑でしかないかもしれないが、来年以降、外国人観光客の数も回復し、桜の時期に東京のターミナル駅のような混雑が戻った後は、もう以前の風景が見られないと思うと、少々寂しい気もしてしまう。

ただやはり、そろそろコロナは終息してほしい…。

 

 

昨夏から温めていた書籍の出版がいよいよ決まった。

「コーチングで病院が変わった」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が、今月19日に発売となる。

 

この本は、病院長自らが率先してコーチングを取り入れて、病院内の組織のコミュニケーションを活発にし、多職種連携を活性化させた先生方にインタビューを行っている。

このコロナ禍であるため、直接お会いすることはできず、Zoomでのインタビューとなった。ただ、インタビューを行ってみると、各先生のお話しは極めて興味深く、いずれの先生とも結果的に1時間半ほど、ミッチリお話しを伺うこととなり、本当にインタビューできてよかったと感じた。

そして、インタビューさせていただいている中で大変印象的だったことは、「コロナ以前から「医師の働き方改革」に取り組んでいて『よかった』」といずれの病院経営者の先生方も異口同音にお話しされていたことだ。

職員一人ひとりの主体性を引き出せるような雰囲気をつくっていったことで、結果としてコロナ禍のような前例のない有事の状況においても、スタッフ全員で臨機応変な対応が取れ、しかもスピーディに動くことができたと語る先生方のお話しを聴いて、私は「「医師の働き方改革」には『労働時間が短くなり、現場のスタッフの負担が減る』以上の効果がある」という確信を得た感がある。

このため、是非とも日本中の病院長・理事長先生方を含めた、多くの医師・医療関係者の方々に読んでいただきたい書籍だと考えている。

 

また今回は、私のボスでもある河盛隆造先生に、本の帯を書いていただいた。私のような若造から、実際に河盛先生のような偉大な先生にお願いしてもよいものか、最後まで迷ったのだが、本当に快く承諾していただき、心から感謝申し上げたい。

実は、順天堂退職後も、一番積極的にお声をかけ続けていただいたのが、河盛先生であった。その期待に背かぬよう、せっかく多くの先生方の貴重なインタビュー記事をまとめさせていただいたので、この本を多くの医療者に読んでいただけるよう、さらに精進していきたいと思う。

 

すでに、アマゾンや楽天・ヤフーでも先行予約でネット販売していただいている。

是非、皆様にも一読していただき、ご感想をいただければ、これほど嬉しいことはありません。

 

■「コーチングで病院が変わった」

佐藤 文彦 著(Basical Health産業医事務所 代表)

定価 3,080円(本体2,800円+税10%)株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン社/2021年3月19日発売

 

https://books.rakuten.co.jp/rb/16646841/