11月 2019

今年の日本肥満学会は、日本肥満症治療学会との合同で、東京国際フォーラムで開催された。私自身は、基本的に毎年両方の学会に参加しているので、一石二鳥のスケジュールであった。

 

日本肥満症治療学会はメタボリックサージャリーと呼ばれる、いわゆる胃の縮小術による外科的減量方法について、これまで盛んに議論されてきた学会である。一方の日本肥満学会は、基礎医学を含めた内科的な研究・臨床について盛んに議論されてきた特徴を持っている。このため、今回は、いよいよ両方の特徴が融合されて、より肥満症研究について網羅的に勉強できる環境となっていた。

 

半日程度しか参加できなかったが、その中でも印象に残ったものの中に、腸内細菌の話しがあった。

東京農工大学大学院農学研究院の木村郁夫先生が「腸内細菌によるω6脂肪酸代謝と宿主恒常性への影響」というタイトルで講演されていた。

木村先生等は、腸内細菌が代謝により食用油中の多価不飽和脂肪酸を10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid (HYA)をはじめとする新たな脂肪酸に変換することで、宿主のエネルギー代謝調節に関与し、食事によって誘導される肥満を改善することを明らかにした(Nature Communications2019;10(1) 4007)。

高脂肪食の摂取マウスの盲腸内において、乳酸菌の顕著な減少と、リノール酸(ω6脂肪酸)の腸内細菌初期代謝産物であるHYAを含む数種の腸内細菌代謝脂肪酸の劇的な減少が確認された。

また、ω6系多価不飽和脂肪酸であるリノール酸を高脂肪食に補充したマウスでは、アラキドン酸カスケード(アラキドン酸を原料として生体内で主に炎症性の脂質メディエーターを合成する代謝経路)を介した脂肪組織炎症が観察されたのに対し、HYAを補充したマウスでは、リノール酸を補充した場合に観察された脂肪組織炎症を誘発することなく、高脂肪食による肥満の症状を改善した。

加えて、高脂肪食中にHYAを補充したマウスは、肥満による耐糖能異常に対して、GLP-1分泌亢進を伴った改善作用が確認された。一方で、長鎖脂肪酸受容体であるGPR40/FFAR1やGPR120/FFAR4の遺伝子欠損マウスでは、これらの代謝機能改善に関わる効果が消失した。

さらに、腸内細菌の一種でHYA産生能を有する乳酸菌を定着させたマウスにおいても、同様の代謝機能の改善作用が観察された。

以上より、食事中に含まれる多価不飽和脂肪酸を腸内細菌が代謝することで、食事により誘導される宿主の肥満を改善する可能性が明らかとなった。近年の食の欧米化に伴う肥満症の患者増加は社会的な問題であるが、その治療法・予防法の確立は急務である。腸内環境を制御する食習慣や腸内細菌の代謝産物が、代謝性疾患に対する新たな治療法につながるとして、今後これらの研究成果の応用が期待される。

また、近年の腸内細菌研究の発展に伴い、腸内環境の制御が宿主の生体恒常性の維持と密接に関与することが明らかにされている。本研究は、食–腸内環境–宿主の相互連関が、宿主のエネルギー代謝を正常に維持する可能性を示しており、我々の日常生活におけるQOLの向上に活かすことが期待される。

https://www.amed.go.jp/news/release_20190905-03.html

先週末、日本臨床コーチング研究会 認定コーチ研修会in関西に参加した。以外にも、大阪では初の開催となった。私自身も、聴く(聞くとの違いを明確にし、態度を習得する)・承認・伝える(枕詞・Iメッセージを使える様になる)の、2つのセッションで講師役を務めさせていただいた。

 

今回は2日間での開催であったため、上記以外にも多くの先生方が講師を務められた。特に印象的であったのは、やはり日本臨床コーチング研究会名誉会長の畑埜義雄先生の「心理的安全性と臨床コーチング」といったタイトルのご講演であった。

 

ご存知の通り、「心理的安全性」は、googleが「効果的なチーム」とは何かを定義するためにリサーチ調査を行ったところ、辿り着いた結果として、チームの効果性に影響する因子を重要な順に示すと以下のようになったとのこと。心理的安全性、相互信頼、構造と明確さ、仕事の意味、インパクト。

この「心理的安全性」とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味するとのこと。このため、自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地がある組織のことを意味する。

 

これを、医療現場の中に当てはめる時に如何に考えるかを、現在も多くの病院にて医療コンサルタントをされている畑埜先生が、実例を示しながらお話しをされていた。

医療現場においても、当然ながら一般企業と同様に、組織内にギスギス感があると、心理的安全性が損なわれる。こういった状態が続いてしまうと、各医療スタッフのやりがい感が減り、チーム意識も低下してしまう。このため、上司は部下とこまめにコミュニケーションをとることが大切で、お互いを認めあう文化を醸成していくことが大切だと仰っていた。

実際に、畑埜先生がコンサルテーションを行っている民間病院では、部下と挨拶をするなどのコミュニケーションの項目を定め、毎日それを記録してもらうようにし、毎週この記録を上司がチェックする。加えて、毎月診療委員会等で、幹部クラスもチェックすることにしたとのこと。この項目を各医療者幹部の評価項目とすることとした。この取り組みはすでに2年間続いておられるそうで、これにより、上司のコミュニケーションに対する意識が変化し、非常に風通しの良い組織に変革してきたとのこと。

 

いよいよ、日本の医療機関においても、この様なコミュニケーション手法を用いることによって、職場内の雰囲気を良好なものに変えていけるといった「成功事例」が示されるようになった。

先日のブログでもご紹介した通り、医療機関の働き方改革もあと4年に迫ってきた。しかし、すでに積極的に取り組んで、成功を収めている医療機関も出現しだしている。こういった情報は、若い医療者の間では、SNS等を通じて本当に素早く伝わっていくことが容易に想像される。この波を先取りできるか、乗り遅れるかで、その医療機関の存続に大きく影響することになるといっても過言ではない時代になってきている。まさに医療機関の生き残りのためのサバイバル時代が、この「医師の働き方改革」を行うことによって、同時に始まってきていると言えるのではないだろうか。

先週金曜日、仕事を終えてから京都に帰省した。土曜日の午後から大阪で仕事があったからだ。

すると、父親がテレビで天気予報を見ながら、急に「明日の朝一番で永観堂に行こう」と言い出した。僕としては、少し寝坊できると思っていたので、不意打ちの提案だった。ただ、父親はまだまだ健脚とは言え、80歳を超してきたので、行けるうちに行っておこうと、すぐに思い直し、早起きすることに決めた。

 

紅葉シーズンの週末の京都は、ご存知の通り、毎年観光客で溢れかえっている。このため、地元民としては週末に観光スポットに行くことは極力控えている。それでも行くとなれば、開門が9時であるため、最低でもその時間に間に合うように行くしかない。何とか慌てて支度をして両親とともに永観堂に9時に到着したのだが、門前はすでに人とタクシーと観光バスでごった返していた。すでに1000人くらいの人がいたと思う。結局入門のために20分近く並ばざるを得なかった。

京都の観光名所の寺社仏閣の拝観料は高い。永観堂も一人1000円だった。ということは、開門して30分もしないうちに「1000円x 1000人で…」と、下世話な計算をついついしてしまった(苦笑)。

 

一旦、中に入ってみると、流石に京都でも有数の紅葉の名所で「紅葉の永観堂」と言われるほどの、放生池の周りに数多くの艶やかな紅葉が彩り、しかもこの日は見事なまでの快晴で、その青空との対比がまた素晴らしかった。

 

社会人になってから、この紅葉のシーズンに帰省したのは、自分の結婚式以来だと思う。このため、永らく京都の紅葉を堪能することは全くできていなかった。やっとこの歳になって、少し余裕ができて、また、歳を取り、こういった風情の良さがやっと分かるようになってきたので、本当にちょっと無理してでも早起きしてよかったと思った。両親も久しぶりだったようで、よい機会になったと思う。

 

ただ、非常に混んでいたため、予想以上に時間もかかってしまったため、新大阪まで初めて新幹線で行くこととなった。新幹線だとたった13分で到着。しかも、携帯アプリからJR東海のEX予約で自由席を予約したところ、料金も1440円だった。この値段、永観堂・南禅寺周辺から京都駅までのタクシー代より全然安いので、これまたちょっと驚いてしまった。

先週末、「医師の働き方改革をみんなで考える」フォーラム~これからの医療業界のゆくえを徹底討論~というタイトルでのセミナーが東京医科歯科大学鈴木章夫記念講堂であり、参加してきた。

日曜日の9:30から17:00までと、休日にもかかわらずミッチリのスケジュールであって、正直疲れたが、大変勉強になった。

 

厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会の構成員の先生や厚生労働省の医政局医療経営支援課の医療技官の先生など、実際に「医師の働き方改革」を主導されておられる方々から直接お話しを聴くことができた。特別ゲストとして、小池百合子・東京都知事もご挨拶されていた。

 

医療法人ペガサス馬場記念病院理事長の馬場武彦先生、相澤病院最高経営責任者の相澤孝夫先生、厚生労働省医政局医療経営支援課の政策医療推進官の天辰雄太先生、そして特定社会保険労務士の福島通子氏より、それぞれご講演を聴くことができた。それらを聴いた感想として、まず、「医師の働き方改革」に係るこれまでの経緯や背景について、色々と説明・解説していただき、非常に頭の中が整理された。

 

まず、強調されていたのは、勤務医は労働者であるということ。この「医師の働き方改革」の話題が出てから、少なからず医師から「医師は労働者ではない」という声が上がっていた。しかし、労働基準法上、使用者の指揮命令下で働き、その報酬として賃金を受ける者(職種は問わない)は労働者であることを認識する必要がある。

 

そして、2024年度からの医師の時間外労働規制については、A・B・C-1・C-2の4つの水準に分類するとのこと。あくまでも、A水準の960時間以下/年を目指すことが大原則である。しかし、B・C-1・C-2の3つの水準であれば1860時間以下/年の時間外労働が認められることになる。これは、主に第3次救急医療機関や特定機能病院などが対象と考えられている。一方で、これらの該当病院であっても、実際に960時間以下/年の勤務では困難と考えられる対象医師を特定し、都道府県などの審査機構に承認申請を行ってはじめて認められることになるとのこと。将来的(2035年頃)にはすべての医師が960時間以下/年の勤務とすることを目指している。

 

さらに、コメディカル等へのタスクシフティングや、地域医療における機能分化や役割分担を積極的に行った病院間ネットワークの重要性、そしてAI・ICTの活用、医療機関内の組織マネジメント改革などの、医療・福祉サービス改革による生産性の向上を図ることが「改革プラン」として紹介されていた。

 

今回の「医師の働き方改革に関する検討会」で検討されていた内容が、予想以上に充実しており、非常に納得しうる提言になっていることに驚いた。そして、これらの提言を実現化していければ、素晴らしい「医療機関の働き方改革」が行えるなと感じた。僕自身も「医療機関内の組織マネジメント改革」など、微力ながらも協力していけるように頑張りたいと思う。

今月のさんぽ会は「人事の私の困りごと」というタイトルで、二人の人事担当者のお話しを聞くことができた。二人とも大企業の人事から子会社への出向を経験されているので、大企業の観点からも、中小企業の観点からも、これからの人事部の役割りについてお話しをされていたので、大変勉強になった。

 

まずは、SCSKから、その子会社である株式会社CSIソリューションズで人事担当をされている海野賀央さんの話しであった。海野さんからは、人事の役割について総論的に解説もしていただいた。そして、人事と言っても幅広い分野の仕事があるということを分かりやすくサマライズしていただいた。

その中で、人事が考える「人事部に求められている機能」として、『MBAの人材戦略』で著名なミシガン大学のデイビッド・ウルリッチ教授が提唱した以下4つの分類(Human Resource Champions: The Next Agenda for Adding Value and Delivering Results, 1997, David Ulrich)をご紹介いただいた。

このフレームは、人事が経営や従業員に提供する価値をもとに構築されたものとのこと。

https://www.recruit-ms.co.jp/issue/feature/0000000152/1/

1. 戦略パートナー(Strategic Partner)

2. 管理のエキスパート(Administrative Expert)

3. 従業員のチャンピオン(Employee Champion)

4. 変革のエージェント(Change Agent)

従来の「人や組織に関する取りまとめを行い、法的リスクを最小限化し、業務の効率性を高めること」はもちろんのこと、戦略的人的資源管理(SHRM; Strategic Human Resource Management)という言葉に代表されるように、企業の将来を見据えた戦略実現のサポーターとしての役割も、最近では人事の役割として求められてきている。

そういった意味で、より幅広く「経営の真の戦略実現パートナー」になるべく、社内外の様々な職種な人とコミュニケーションを取っていくことを、今まで以上に「人事部」は強く求められてきている。そうすることで「人と戦略とのかけ橋になる」ことができるのではないだろうか?

 

また、株式会社アキタフーズ人事部の齊藤和毅さんからは、より具体的に人事の仕事についてご紹介いただいた。齊藤さんは、スーパーのダイエーに入社され、長年、ダイエー・イオングループ内で人事担当をされてきた。入社当時は、まだ業界ナンバーワンの大企業。その後ご存知のように急激な業績悪化に直面し、実際にリストラ断行といった重い任務の仕事も少なからず経験されてきたエピソードも、沈痛な面持ちでお話しいただいた。

我々医療職は普段、実際のリストラにおける様々な人間模様を直接聞く機会はなかなかないため、場内シンと静まりかえって、参加者全員が真剣にその話に聞き入っていた。

その中で、非常に印象的だったのは、ダイエーが産業再生機構の管理下に置かれている時に、林文子会長(現横浜市長)が何度も「ESなくしてCSなし」と言っておられたというエピソードを紹介されていた。ESとは(Employee Satisfaction:従業員満足度)の略で、CSとは(Customer Satisfaction:顧客満足度)のこと。

これは、従業員が万全の健康状態でモチベーション高く仕事に取り組むことで業務の質が上がり、それに伴ってより良いサービスを顧客に届けることができるということだそうだ。

令和の時代は、よく「人材に投資する時代」と言われる。そういった意味で、人事部と産業医療職とが日頃からしっかり連携を取り合って、経営層とともに「真の働き方改革」を推し進めていくことが、企業の発展のためには、規模の大小を問わず、非常に大切な要素になるのではないかと、今回のセミナーを通して改めて感じた。

今年の伝塾合宿は、八ヶ岳で行われた。

僕自身は、土曜日の午前中は糖尿病外来があったので、遅刻しての参加となった。

 

今回は、ゲストとして産業医科大学の産業生態科学研究所・作業関連疾患予防学教授である、大神明先生にお越しいただき、これからの日本ではIPHR (integrate personal health record)という、子供の頃から就職後まで一貫した、健康情報記録を各個人が持つことが非常に大切で、このインフラ整備を行っていくことが非常に重要になっていくということをお話しされていた。

現在問題になっている風疹ワクチン接種についてなど、このようなインフラが確立していれば、かなり今のような混乱なく対応できるようになるであろう。

保険診療外の国内での政治的配慮は、このように産業医大がイニシアティブをとっているところがあるので、直接お話を伺うと、今、日本の中でどのような動きになっているのかの最新情報を知ることができ、大変勉強になる。

 

また、例年通り、夜の飲み会も大いに盛り上がり、各産業医の先生方とも本音トークでたくさんの貴重な情報交換をすることもできた。

 

そして、恒例のエクスカーションでは、今回、サントリー白州工場の見学をさせていただいた。非常に自然豊かな森の中にある工場で、工場敷地内も自然に配慮した電気自動車のバスで移動をしていった。

加えて塾長ハマさんのご配慮もあり、白州と山崎、響の飲み比べ試飲もさせていただいた。ウイスキー好きとしては、今や超貴重な日本のウイスキーの試飲ができて、大変満足感に浸ることができた。

 

伝塾入塾者のニックネーム決めも7名行われたのだが、各先生のプレゼンテーションがいずれも非常に

インパクトがあり、普段、真面目な先生としか見えない人の、超意外な経歴や趣味などを知ることができ、場内大盛り上がりであった。

 

本当にこういった出会いの機会をいただくことができ、そして、これにより困った時に相談できる心強い仲間ができたことは、自分にとって大変貴重であるなとつくづく感じる。こういった先生方と一緒に、これからも日本の産業衛生、働く人たちの安全や健康を支え続けていけたらと思う。

 

本日(2019.11.13)のヤフーニュースで、食品産業新聞の「ほうじ茶飲料、若年層の支持で人気続く カフェや菓子で注目され飲料も定番化」という記事が紹介されていた。

 

この記事によると、ほうじ茶飲料の販売金額が、10年前から3倍の規模になるほど拡大しているとのこと。メインユーザーの30~40代女性に加え、若年層で飲用習慣が広がっていることが大きいとのこと。

 

以前より、ほうじ茶のアイスクリームなどは非常に美味しく、僕自身もお気に入りの一つである。

実際に、スターバックスで「ほうじ茶 ティーラテ」が人気となるなど、カフェで定番化が進み、今年流行のタピオカドリンク店での採用も広がったほか、菓子では「ブラックサンダー ほうじ茶ラテ」(9月発売)、アイスも「ハーゲンダッツ ジャポネ ほうじ茶きなこ黒蜜」(セブン-イレブン限定、10月29日発売)など、幅広いカテゴリーで商品化されているらしい。

 

ほうじ茶飲料のトップシェアの「お~いお茶 ほうじ茶」を販売する伊藤園の担当者は、「ほうじ茶飲料は伸長を続けている。もともとほうじ茶は、歴史的に急須でいれて飲まれていたこともあり、香り立ちの良いホット商品から人気となって通年で飲まれるようになった。市場を牽引しているのは、ジャスミン茶やルイボスティーなど、香りに特徴のあるお茶を好む傾向にある女性のお客様である」とのこと。また、どんな食べ物にも合うことから、「単独で飲んでもすっきり楽しめるが、食事や甘いものにも合うのがほうじ茶の特徴。“お茶=食事に合う”ことは、お茶本来の価値だ」とする。「お~いお茶 ほうじ茶」は、通常のほうじ茶飲料が番茶などを使用する中、一番茶を使用して、おいしさや香りを高めたことが支持される理由だとしている。

 

京都出身者としては、昔から夜に飲むお茶は、やはりほうじ茶であった。カフェインが入っておらず、子供でも飲めるのが、また良い。

今後、この話題性を追い風に、さらに茶葉など品質にこだわったほうじ茶が、今まで以上に気軽に飲めることを期待したい。

今回、「医療機関の働き方改革懇談会」を東京・日本橋で開催させていただいた。

鳥飼総合法律事務所の小島健一弁護士と、hrms-jp 医療人事労務マネジメント研究会代表の河北隆社会保険労務士と一緒にセミナーを行うことができた。

4年半後には、いよいよ医療機関においても働き方改革が行われていくことになると思われるが、この会はその先駆けになるセミナーであると考えている。しかも、医師と弁護士・社労士とが連携していくことが、今後大変重要なポイントになってくることを象徴している会として開催できたことも非常によかったと考えられる。

 

小島先生からは「医療機関の「健康経営」への戦略的な取り組み」というタイトルで、ご講演をいただいた。以前からもお話しされておられるのだが、これからの「新しい企業(医療機関)支援のかたち」としては、紛争処理型から紛争予防型へ。つまり、“戦わずして勝つ”=先手必勝の人事・労務対応が求められると仰っていた。そして、医療機関の働き方改革においても、「「健康経営」と「ダイバーシティ経営」なくして、「働き方改革」は行っていけない」とも強調されていた。その理由としては、具体的な「健康経営」対策として、ポジティブ・メンタルヘルス、ワークエンゲージメント、キャリア開発といった組織内を「安心」かつ「活力」ある状態にしていくように、経営者が経営戦略として産業保健を積極的に取り入れ、「職員の健康を経営の基盤(財産)として位置付け」ていくことが大切だとされていた。そして、人材難が著しい今の時代は、女性・外国人・障碍者・高齢者といった多様な人達を上手に活用し、この多様性を活かしきってこそ、大きな成果・新しい価値を生み出していけるということも強調されておられた。本当に、その通りだと思う。そして、やはりこれまでに長年、企業内弁護士しとして、第一線で様々な経験を積んでおられるからこその、実感がこもった内容であったなと強く感じた。

 

また、河北先生からは、「病院の働き方改革」=「医師の働き過ぎ改革」、「病院の働き方改革」=「看護師の休み方改革」という重要なポイントをお話しされていた。そして、自分達の病院を退職していったスタッフが、どういった理由で辞めていったかをしっかりと検証していく必要性があると仰っていた。加えて、どの経験年数のスタッフ層が辞めていっているかで、自分達の病院運営の課題が明確に浮き彫りされることも、実際に旭中央病院での実体験を基にお話しされていたことは、非常に説得力があった。その調査結果から分かってきたことは、「「休みが取れない不満」が「看護師の退職」に結びつく」や、「「休みがとりやすい」ことが「働きやすい職場」の条件」であることを、きちんとしたリサーチ上からサマライズされてもおられた。

 

「医療機関の働き方改革」は、まだ後4年ほど先ではあるが、すでに危機感を持って熱心に話しを聴かれていた医療機関関係者の方も多く参加されていた。こういった方々と、今後ますます意見交換をしていくことが大切だと感じた。そして、日本中の多くの医療機関で「真の医療機関の働き方改革」が行われ、優秀な医師・看護師・医療スタッフ達が過度に疲弊することなく、病院でこれからも長く充実して働き続けられるように、これら多くの医療スタッフの方々と一緒に、「医療機関の働き方改革」について少しずつでもサポートしていけたらと切に思う。

先月の文天ゼミは、文天ゼミ100回記念だったとのこと。このため、毎年恒例のシンポジウム形式であった。今回のミーティング・タイトルは「保健指導・予防医療、参加率向上の起爆剤」。

 

ご存知の通り、特定保健指導の実施率が上がらないのが、日本中の課題となっている。そういった中で、初回面談率を急激に上昇させた取り組みを行っている施設が登場し、そのスタッフがその秘訣を色々と

教えて下さった。

 

まずは、新浦安虎の門クリニックで特定保健指導を行っている管理栄養士さん2名と、当時協会けんぽ千葉支部で保健師として働いていた白田千佳子さん(現・株式会社リンケージ)のお話しだった。

彼女達の取り組みとしては、協会けんぽ千葉支部の依頼を受けて、新浦安虎の門クリニックでの特定健康診査時に、特定保健指導該当者に積極的に特定保健指導を行っていくという試み。これは、前年度の健診結果などから、予め事前に該当者を抽出しておいて、その人達が当日受診受付した時点から、保健指導を促すように声がけをして、検査の合間の待ち時間等に初回の保健指導を実施していくというもの。これにより、12%程度であった初回面談実施率が90%台まで上昇したとのこと。

 

次に、同友会(春日クリニック)の保健師さん2名が登壇した。彼女達は、巡回での健康診断受診時に、IoTを利用した遠隔での特定保健指導を開始したとのこと。これも上記と同様に、前年度の健診結果などから、予め事前に該当者を抽出しておいて、その人達が当日受診受付した時点から、保健指導を促すように声がけをして、検査の合間の待ち時間等に初回の保健指導を実施していくというもの。これにより、同じく5%程度であった巡回健診時の初回面談実施率が30%台まで上昇したとのこと。IoTを使用することによる苦労話なども話されていたが、今後非常に有用な手段であることは間違いないと感じた。

 

また、(株)バリューHRの菊地敬二さんからは、複数の健保組合に、「くうねるあるく」という健康づくりのインセンティブとICT・広報を組み合わせたオンラインタイプの生活習慣向上事業をご紹介いただいた。こういうサポート支援があっても苦戦している健保もある中、アビームコンサルティング株式会社は1回目参加率が38%と断トツで高かったとのこと。この理由を同社保健師の安倉沙織さんが解説してくれた。その理由として、保健師が全社員に周知してもらえるように工夫して丁寧に広報・勧奨活動を行っているとのこと。それに加えて、社内のコンサルタント職の社員がこの事業の脱落群を分析し、その群の人達向けにマッチした内容のメールを送信しているとのこと。これこそ、正しく本業と健康増進との力強いコラボレーションだと感じた。

 

このように、特定保健指導の実施率や健康増進事業への社員の参加率が高まって行けば、本当に社内の健康度合いが飛躍的に向上し、アブセンティーズムやプレゼンティーズムも抑制でき、社内の生産性も格段に上昇していくのではないだろうか。

そして、こういった成功事例がどんどん紹介されることによって、他企業もこれを参考にして、質の高い保健指導・予防医療を提供していくことにも繋がると考えられる。そうすれば、日本の中で働き方改革がよりドラマティックに進んでいくことも期待できる。

菊池さんは、この現状を「大チャンス」と表現されていた。本当に多くの方々に、こういった先駆者達の話しを聴いてもらう機会がたくさん増えていけばよいなと思う。