Blog

「目標を次々に達成する人の最強の勉強法」(猪俣武範;ディスカバー)を読んでみた。サブタイトルは「ハーバードx MBA x医師」。

まったく知らなかったのだが、著者は順天堂大学卒で、僕の後輩だった。しかも高校は僕の息子の先輩ということになるらしい。

 

自分より後輩であり、「ハーバードx MBAx医師」という、何ともいけ好かない肩書きだが、本を読み進めていくと、なるほどと何度も唸らされてしまった。やはり、マルチタスクを達成していく人は、考え方が非常にしっかりしていると脱帽せざるを得なかった。

 

特に素晴らしいなと感じたのは、「目標から逆算して考える」という考え方と、「10%の時間は「意識的に」新しいことに使う」という考え方。

この中で、グーグルの有名な「70/20/10」を紹介されていた。勤務時間のうち70%をコアビジネスに、20%をコアビジネスの延長に、残り10%を全く新しいプロジェクトにそれぞれ使うというもの。この比率に保つことで柔軟性と融通性が生まれ、常に新しいアイデアや戦略が生み出されるとのこと。そのためには、無駄な時間を減らし、意識的に10%の時間を本業以外に確保すること。そして、10%の時間に本業以外の人と過ごすようにすること。こういった新しい投資を行うことが大切だと説いていた。

 

僕自身も行ってきたことを、著書の中で紹介されてもいて、共感する箇所も多かった。

「隙間時間を活用する」「蛍光マーカーを活用する」「勉強にお金を惜しまない」「英語のライティングはグーグルを使って学ぶ」「発言することで自分の意見や思考を磨く」「意識して清掃の時間を作る」といった項目である。こういうことを、自分と違って若い頃から明確に意識しているという、モチベーションの高さは本当に素晴らしいと思う。

 

これからの時代、いかに新しい発想を思いつき、早くそれに突き進んでいくことが今まで以上に重要な時代になってきている。そのために、普段から副業をしたり、余暇を楽しんだり、本業以外のことに触れておくことが大切になる。そのためには如何に時間の無駄を省き、隙間の時間を活用することが必要となる。そして、自分の目標を達成していくためには、逆算して時間管理を行っていく…。やはり、そうやって理論的に自分の目標に向かっていくことは、本当に大切なことだと感じる。

 

まだまだ自分自身の方針が定まっておらず、まず目標に向かってどうしていけばよいのかを知りたい時に、最初に手に取る本として、この本は分かりやすく、網羅的にきちんと書かれているので、非常にお勧めな本になると思う。

 

後輩でありながら、教えられることがたくさんあった。そして、僕自身ももっと頑張っていこうと思わせてくれる1冊でもある。

「社長の「まわり」の仕事術」(上坂徹;インプレス)を読んでみた。これも、なかなかに衝撃的な、今までにない内容となっており、お薦めの1冊だ。

 

タイトルを見て、社長室のまわりにどんなものが置いてあるのかという内容かと思ったが、違った。

これは、社長を支える主要な部下の方々をピックアップして、その人達が、普段どの様にして社長とコンタクトをとりながら、仕事をしているのかということを、ひたすらインタビューしてまとめた内容となっている。

著者は「はじめに」に、「世の中のほとんどの人は、「社長のまわり」の人」だということに注目した」と述べている。そして、通常のビジネス書の読者は、経営者について書かれた本よりも、「すごいと言われる経営者のまわりには、「デキる」人達がおり」その人達にこそ学ぶべきではないかという発想のもと、この本を企画そうだ。

 

そして実際、6社の「社長のまわり」の人にロングインタビューを行っている。その内容が「衝撃的」で、たくさん学ぶことがあった。そういった意味で、過去になかった内容の本に仕上がっている。

 

読んでみて、いずれの企業の「社長のまわり」の人達も、とにかく常に社長の動向を隈なく観察し、話しかけるタイミングやメールするタイミングを細かく見定め、絶妙なタイミングで社長にメールしたり、ミーティングを開くように、常に細心の注意を払っているということが、非常に印象的であった。実に上手によい意味での根回しも行い、そうしていくことによって、時を逸することなく新しい事業に舵を切ったり、プロジェクトの方針転換を可能にさせたりすることができる。

 

口々に、この「社長のまわり」の人達が言っていることが、「「無理です」と最初から断らないようにしている」「要件は手短に、結論から話す」「スライドは1枚にする」など、本当に大量の情報をどの様に社長と共有しながら、的確に処理・発展させていくか、日々、様々な工夫とコミュニケーションを取っておられるということが、ひしひしと伝わってきた。そうすることによって、社長が的確にかつ即決することができている。

そして、最初は半信半疑であっても、徐々に社長に共感し、そしてリスペクトし、そして自分も進化していくという、本当に理想的な上司と部下の関係が築けていることが読み取れる。

 

中川政七商店の緒方恵・デジタルコミュニケーション部部長の言葉に象徴されているように、「どうして、これほど成長してきたか」の理由として、「ビジョンの強さ」を強調している。「社長はひたすらビジョンを言い続ける」「各社員は、タスクを細分化してこなしていく訳だが、それが何に繋がっているのかという話しをみんなでし続けて、常にビジョンに立ち戻る」ことを挙げている。「ビジョンに共感しているからこそ、モノづくり・店づくりのレベルが以上に高い」とも語っている。さらに「『これは社長はどう思うかな』という主語で議論がなされたりしたら危ない。お客様を主語にしないといけない。内向きの話しが多くなる企業は、組織として黄色信号」とも話している。そして、「「あそこの人材配置悪いよね」「あっちのチーム、ラクしてない?」なんて声が出てくると危険」だと言う。

 

よく、「ビジョン」が大事と言われるが、ここまで具体的に「ビジョン」の大切さを明確に表現していることは、なかなか簡単ではない気がする。やはり、実際の成功事例を見ることによって、たくさん学ぶところがある。

 

 

そして、この本を読んで非常に感じたことは、「「フォロワーシップ」の具体的な成功事例を垣間見ることができた」ということ。

「フォロワーシップ」を提唱したのは、カーネギーメロン大学ロバート・ケリー教授で、著書「The power of followership(指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ) 」の中でフォロワーシップとその概念について説いている。組織における業務の成果に対してリーダーの影響力は10~20%に対してフォロワーの影響力は80~90%と大きく、成果の大きさはフォロワーの活動に左右されるとのこと。

 

コーチングやチームビルディングにおいても、「フォロワーシップ」の大切さはよく言われているのだが、やはり、実際の成功事例を見ることによって、この「フォロワーシップ」の影響力の大きさということを実感することができる。

 

いくら経営者が声高に新しいアイデアを発しても、それに付いてきてくれる優秀な部下がいなければ、実現はしていかない。改めて、人の大切さをまざまざと感じさせられた衝撃的で斬新な一冊であった。

前回のさらに続きです…。

 

普段、何気なく新聞やニュースで報道されているが、南極観測隊の動向は思った以上に頻回に記事にされている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53986580Z21C19A2CZ8000/

https://www.47news.jp/national/science-environment/4374094.html

https://www.asahi.com/articles/ASMCJ75PFMCJULZU00N.html?iref=pc_ss_date

 

そして、実際に「南極観測船しらせ」からのメールが時々送られてきていたのだが、その一部を要約して、少しだけご紹介したいと思う。分かりにくい箇所は、随時報道の記事にて補足していく。

 

12月2日に第61次南極観測隊は、オーストラリア・フリーマントルを出港。

このオーストラリアまでは、飛行機で移動。海上自衛隊員などの隊員は、すでに11月12日に東京・晴海客船ターミナルからしらせを出港させていたとのこと。

https://this.kiji.is/566806111859065953?c=39546741839462401

第61次隊の大切なミッションの一つに、気候変動に伴って融解が懸念されている南極の「トッテン氷河」を集中的に観測することがある。昭和基地の周辺では池の底の堆積物を採取し、昔の南極氷床の状態を探るとのこと。ヘリコプターで氷河上に降り、厚さを測るセンサーを設置。観測隊によると、トッテン氷河が全て解けると地球の海面は約4m上昇するとされる。海上に張り出した氷河の末端の下に比較的暖かい海水が流れ込むことで解けるとみられる。

https://this.kiji.is/579276517543674977?c=39546741839462401

 

実際に小嶋医師も、調査に向かうヘリの最終便に乗せてもらうことができ、空の上から南極を見てきたとのこと。「感動です!!動画を見せられないのが残念」と言っていた。

実は、「船内では限られた容量の範囲内でメールしています。返信してもらう場合は、この文章を消してメールしてもらえると容量を少なくできます」とも書いていた。全隊員で、少ない容量を共用しているそうで、動画送信どころか、インターネットも使用できない環境のようだ。

 

ヘリコプターから見える光景として、「アデリーペンギンやコウテイペンギン、ウェッデルアザラシ、ユキドリなどの生き物にも出会えました。ユキドリは、真っ白でかわいいです。大きな氷山、ほぼ日が沈まない景色、これもなかなか貴重な体験です」と書いてあった。別の日には「昨日は鯨を見ました。背中と尾ひれ、潮を吹いているところしか見られなかったけど、なかなか生でみることもないので良かったです」とも。

また、「毎日20分以上は走り、youtubeのコピーを見ながらヨガをしています。今日は、雪の中で甲板を走ってきました」とのこと。やはり、医師の不養生ではいかんとのこと。大変な環境下での任務にもかかわらず、きちんと体調管理をしているのは偉い‼

自分は年末年始に帰省して、結局色々食べ過ぎてしまって、見事に太ってしまったというのに…(汗)。

 

クリスマス会や忘年会では、サックスやパーカッションを演奏したりして、船内を盛り上げているとのこと。ここ数年趣味で始めたサックスを持っていくということで、お茶の水の楽器屋街にも行っていたようだが、実際にこうやって盛り上がっているとは…。

 

内容がよく分からなかったのが、以下の文。

「0時にしらせの汽笛を外で聞いて年越しをして、初詣にも行ってきました。」 初詣とはなんだ??

メールで確認してみたところ、教えてくれた。

「しらせの船中に富士山本宮浅間神社の神棚があり、自衛隊員が神主さんに扮して、「初詣」とあいなりました」とのこと。自衛隊員さんはいったい何役こなすのか⁉

 

まあ、とにかく知らないことだらけで、かなりメールだけでも刺激的な内容なのだが、また気まぐれにメールが送られてくると思うので、これからも楽しみにしたいと思う。

明けましておめでとうございます。

本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

さて、今年もドジ話から始めたいと思う。

 

昨年も(残念ながら)たくさんあったのだが、相も変わらずイージーミスが多い。かなり焦ったことの一つに、チケットの買い間違いがあった。

これは、臨床コーチング研究会のスキルアップセミナーが札幌で開催され、そのため、往復の飛行機の切符を予約したときのこと。週末の札幌往復の飛行機なので、なかなか空きがなかったが、何とか購入することができた。やれやれと思い、一応確認のメールが送られてきたので、珍しくちゃんと確認した。今回はドジを踏まずに済んだと、安心しようとした瞬間、氷ついてしまった。

何と、帰りの飛行機も「羽田→新千歳」となっていた‼

ご存知の通り、飛行機のチケットの変更はなかなかできない。困り果てて、航空会社に問い合わせしようと思った。しかし残念ながら、電話受付は夜22:00までとのこと。嫌味なように、気が付いたのは22:00をちょっと過ぎていた。仕方なく、翌日午前中に電話。

「ああ、確かに両方「羽田→新千歳」になっていますね。今、「新千歳→羽田」便で空きがあるかお調べします」とのこと。すると、しばらくして、幸い「新千歳→羽田」に数席空きがあるとのこと。「今回に限り、こちらで変更の手続きをいたします」と言ってくれた。

札幌について、北海道在住のドクター等にこの話をしたら、「よくチケットが変更できましたね」とのこと。かなり危ない橋を渡ったということをさらに認識した次第であった…(汗)。

 

 

そして、昨年とにかく多かったのは、ポケットWi-Fiの電源切り忘れ。

ポケットWi-Fiは、移動中や外出先で仕事をする時に大変役に立つ。ただ、もちろん電源が切れていると使えない。このため、こまめに電源を切るように心がけている(ハズ…)。

ところが、家に着いたとたん、Wi-Fiの電源を切るのを忘れてしまっている。帰りの電車やバスの中で電源を切ればよいものを、ついつい忘れてしまうのである。

このため、翌朝出かけて、さあ使おうと思った瞬間「電源が入らない‼」という事態に何度陥ったことか…(涙)。

 

結構、切羽詰まって仕事をしなければならない時に、PCは起動しても「Wi-Fiが使えなければ、メールも送信できないだろ‼」という、一人ツッコミをして、途方に暮れることも幾度かあった。

本当に自分の脇の甘さに、昨年も何度も痛い目にあってしまった。

今年は、自分を信用せず、小姑のようにチェックしたいと思っている…(苦笑)。

 

 

それから、非常に印象的だったのが、5月の名古屋で行われた日本産業衛生学会でのポスター発表のため、業者に頼んでポスターを印刷してもらったのだが、その大きなポスターをちょっと面倒くさかったので、学会場に直接送付してもらうこととした。宅配便で学会場に直接送ってしまえば、学会側のどこかしらで受け取ってもらえる場所があるだろうと安易に考えていた。すると、宅急便の配送の人から、受け取り場所がないのでどうすればよいでしょうかと、携帯に電話がかかってきた。

ちょうど発表前日から行っていたので、「それでは、再配送で学会場まで来られたら、その時に再度携帯電話に電話してください」とお願いした。

そのまま、シンポジウムなどを聴いていたのだが、果たして電話がかかってきた。「どこにおられますか?」と言われたので、急いで会場の中庭に出て行き、「今、中庭の時計の下にいます」と返答し、晴れて宅急便のお兄さんと遭遇することができた。

ちょっと周りの人に見られて恥ずかしかったが、無事にポスターを受け取ることができた。

 

前日入りしていたのなら、宿泊先のホテルに届けてもらえばよかったとあとで気が付いた。相変わらず横着してしまったと、年甲斐もない行いをまたまた反省した…。

 

 

毎年、「今年こそはドジは踏まないぞ」と心に誓っているのだが、全く上手くできたためしがない。

そして、色々なドジを踏んだ時に、有り難いことに周りの方々に本当に色々と助けていただいていることについて、もっとしっかり感謝しなければいけないと感じている。

その分、違った形で自分も何かしらお返しをしていかなくてはとも思う。

 

今年も、まずは感謝の念から…。

前回の続きです…。

 

実際に、彼が予備校に通っていた頃、僕もポリクリが始まり、医師国家試験も近づいていたため、そんなに会える機会は多くなかった。

 

ただ、時々京都に帰省した際には必ず会って、どんな状況なのか話し聞いたりしていた。

微分積分なども、この大学卒業後からはじめて勉強しだしたわけだが、元々の地頭がよいようで、高校生やまだ10代の浪人生に負けない吸収力で、どんどん成績も伸びていった。

それでも、僕自身3浪して医学部に入ったので、小嶋にも「3年かかるぞ」と、焦らせないように話しをしていた。

 

しかし、結局彼は2年で見事医学部に合格。しかも医学部2年生からの編入ということで、予定していた医者になるまで9年計画だったのを、7年で達成することになる。本当に凄いことだと思った。

 

京都時代のエピソードとして、未だに二人であった時に話題が出る出来事があった。当時、やはり極力お金をかけずにいたいと思っていたようで、僕が帰省して連絡を取った時に、手持ちのお金が120円くらいと言っていた。そこで、じゃあ急いで僕の実家まで来たらと言ったら、喜んですぐに行くとのこと。

このため、母親に「今から何か食べさせるために、お茶漬けでも何でもいいから、飯を作ってくれ」と頼んだ。特に何も取留めもない食事だったと思うが、美味しそうに食べてくれていたので、家に呼んでよかったなと思ったことを、今でもよく覚えている。

そして、彼の下宿からだと5㎞程の距離だったため、彼は自転車で来たのだが、夏の暑い時期で、途中暑くてコーラを飲んだら、手持ちが十円しか残っていないと言っていた(笑)。

 

彼が医学部に合格したのと、僕が医師になったのが、結果的に同じ年になった。医者になった途端に、研修医として、怒涛の忙しさで仕事をしていた。僕がやっと医者として一息付けた頃に、今後は小嶋が研修医として、怒涛の忙しさになったため、その後も年1~2回しか会えなかったと思う。しかも、彼は北海道・室蘭で研修をし、その後も千葉の南房総や三重県、そして最近までは種子島と、様々な土地で、整形外科医・家庭医として仕事をしてきた。

 

今回の南極観測隊参加については、ちょうど名古屋出張の時に三重県から名古屋まで出てきてもらった時に、実は狙っているんだと話しをしてくれた。

2年がかりで念願の観測隊参加に漕ぎ着けたようだが、さすがにしばらく会えないことになり、しかも約1年半、妻子を置いていくということだったので、久しぶりにお互い家族同士で先月、上野で集まることとした。

南極観測隊の拠点が東京・立川の辺りにあるらしく、そこでの出発直前の色々な準備についてなど、知らないことを面白おかしく教えてくれた。

 

また、「しらせ」からのメールまで、話しが辿り着かなかった。この続きは次回、年越しとさせていただきたい。

しかも、最新情報として、今日、昭和基地に到着したとメールでの連絡があった。

とうとう南極に上陸したらしい‼

 

非常に中途半端な終わり方で申し訳ありませんが、本年も大変お世話になり、誠に感謝申し上げます。

「それでは皆様、よいお年を‼」

「南極観測船しらせ」は、皆さんもご存じだと思う。そして、南極観測隊と言えば「南極物語」の樺太犬タロ・ジロを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。

 

第61次南極観測隊が、先月、南極に向けて出発し、いよいよ南極大陸に到着するところとのこと。このメンバーの中に、僕の大学時代の同級生の小嶋秀治君が、医師として帯同している。

順天堂大学は、大学1年生は医学部と体育学部(スポーツ健康学部)全員が、啓心寮という全寮制に入寮する。その時の隣の部屋員で、その頃からの仲だ。ただ、その当時、僕は医学部1年生、彼はスポーツ健康学部1年生だった。

啓心寮は8人1部屋になっていて、2段ベッドが4つあり、シャワー・トイレ・冷蔵庫・キッチン・電話が8人で共用だった。当時は、携帯電話もポケベルもまだ全然無い時代だったので、お互い、プライベートなことなどは守られるような環境には全くなかった。このため、みんなが良くも悪くもお互いのプライベートや性格はよく知ったもの同士だった。

 

その中で、小嶋(昔から「こじま」と呼び捨てにしている)は、スポーツトレーナーを目指そうとしていた。ただ、だんだん勉強するに従って、スポーツトレーナーよりも実際に整形外科医として活動した方がよいのではないかと考えはじめ、いつからか僕に「医者になりたい」と相談するようになっていた。ただ、もちろん当時の彼は医学部向けの勉強はまったくして来なかったので、数学や理科の教科について、高校時代に全く履修してこなかった範囲もたくさんあった。

僕自身、高校卒業時の偏差値が40前後で、その後に地獄のような浪人生活を3年過ごしていた。啓心寮で生活しているうちに、そういった話しもする機会はちょこちょこあったので、僕に相談してきたのだと思う。

 

その時、僕は彼に「とにかく、大学を卒業しろ」とアドバイスした。卒業した時でも、やはり「医師になりたい」という思いが変わらないのであれば、僕が高校卒業後に通っていた京都・上賀茂神社近くにある小さな予備校を紹介してあげるからと、話しをしていた。

 

すると彼は、大学4年生の時に、僕のところに訪ねて来て、「やはり医師になりたい」と話しをした。その時の覚悟を決めた表情に、本気だなという気持ちを察した。このため、僕がお世話になった予備校の先生に連絡を取り、彼の予備校生活が始まった。

 

昔の思い出話しを書いていたら、南極のところまで話しが全然行かなくなってしまった。この続きは、次回としたい。

ちなみに、下記のURLを見てもらうと、現在、小嶋先生も含めて、第61次南極観測隊がどの様に活躍しているかが、インターネット上で紹介されている。是非、ご覧になってください。

 

種子島の医師が南極へ

https://www.asahi.com/articles/ASMDN3PZLMDNTLTB006.html?iref=pc_ss_date

地方紙と共同通信のよんななニュース 南極

https://www.47news.jp/search?phrase=%E5%8D%97%E6%A5%B5

 

 

年末になり、さすがにセミナーなどに参加することもなくなってきて、ネタ切れ感があるので、たまには普段思っていることを書いてみたいと思う。

実際には、かなり小さいことと思われてしまうと思うが、普段の生活の中で、気になっているのが信号機のことだ。

僕の住んでいる家の近くの国道の交差点は、何故だが未だに右折表示がされない箇所がある。

ここを右折しようとすると、右折表示がされないので、信号機が黄色になった瞬間に急いで右折しなければならない。直進車が黄色になっても構わずに入ってこられると、そのまま右折できないままになってしまうこともしばしばある。せっかちな関西人は、こういうことがあると「めっちゃイライラ」してしまう。

 

また、都内で大通りを走っている時に、大通りの交差点の間にいくつかある信号が、全く違うタイミングでまちまちに赤信号になったりする。これに何の意味があるのだろうかと、いつも思ってしまう。

どうせ次の大通り交差点に差しかかった時に待たされるのだから、小さな交差点でも同じタイミングだけ、歩行者が渡れるようにしておけばよいのではないかと感じてしまう。

 

昨今、人工知能AIが、どんどん我々の生活の中に入ってきているが、この信号機の設置場所やタイミングについてこそ、AIに解析してもらうことが有効なのではないだろうか。こういったことを、科学的に検証して、一番スッキリと理に適った信号待ちのタイミングに、是非ともしてもらい。

実際に、これを国や自治体の予算として計上して行えば、莫大な費用がかかってしまうのかもしれない。しかし、これを大学で、大学生達にAI等で分析してもらい、研究として信号機の効率化を図ってもらえれば、一石二鳥なのではないかと思っている。

 

しかも、都道府県対抗や大学対抗で競ってもらい、非常に効果のあった取り組みを、文科省や経産省などが表彰するというようにすれば、様々な大学で実利に適った取り組みを作成していけるのではないだろうか。そして、そういった取り組みがニュース等で紹介されれば、各大学や各市町村の大きな宣伝にもなり、そしてもちろん、我々の住みやすいまちづくりにも直結していくことになる。

 

これらにより、不必要な渋滞が緩和されれば、こんな素晴らしいことはない。

今や、ドライブレコーダーもほとんどの車に取り付けられるようになり、自動運転やMaaS (Mobility as a Service:サービスとしての移動)と言ったことが話題にもなっている時代。ますますこれらを利用して、ビッグデータ解析を、住みやすいまちづくりや快適なドライブに、是非とも繋げていってもらいたいと思う。

「THE TEAM 5つの法則」(麻野耕司;幻冬舎)を読んでみた。これは、予想以上に読み応えがあり、読み終えるまでに結構時間がかかってしまった。我々医師は今まで、「チーム作り」についてなかなか体系的に学ぶ機会がなかった。このため最近、「チームビルディング」や「チームコーチング」などについて勉強しているわけだが、今回もその一環として面白そうであったため読んでみた。

 

麻野耕司氏は、株式会社リンクアンドモチベーション取締役。この会社でモチベーションエンジニアとして、組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げ、国内でのHRTechの牽引役として注目を集めているとのこと。ここまで書いて、どれくらいの方がこの経歴についてご理解できただろうか。僕自身も、どこまで正確に理解できているか怪しい限りなのだが、ただ、皆さんもこの本を読むことによって、これらの意味合いを徐々に理論的に理解していくことができるようになっていくのではないだろうか。

 

そもそもリンクアンドモチベーションと言う名前を聞いても、どういう会社なのか全くイメージできなかった。このため、仕方なくググって検索してみた。すると、僕も見たことがあるCMが紹介されていた。それは、会議で「社長、また退職者が出ました」という発言を受けて、社長役の役所広司が「残業は減らしたのか」「減らしました」、「副業は認めたのか」「認めました」、「打つ手なし‼」と言っているコマーシャルの会社ということが分かった。確かにこのCM、かなりインパクトがある...。

 

麻野氏は、「チームの法則」を、精神論や経験則ではなく、経営学・心理学・組織行動学・行動経済学など、様々な分野の学術的知見を取り入れながら、理論的かつ体系的に説明してくれている。そして、過去の社会システムに自分でも気づかないうちに囚われてしまっていたりすることから生じる誤解を解き明かし、本来あるべきチームの姿を見出し、チーム運営を活性化させていくには如何にしていけばよいかを解説していってくれる。

 

実際に、リーマンショック後で業績が落ち込んでいた時期に、コンサルタントとしてクライアントに組織変革のノウハウを伝えているだけでなく、自社内でも徹底的にこれらのエッセンスを実践したとのこと。そうしたところ、売り上げが10倍になり、退職率も20~30%から2~3%まで抑制することができたとのこと。この成功事例も相まって、組織改善クラウド「モチベーションクラウド」は世間で大きな注目を集めるようになったそうだ。著書の中でも「想像していた以上の変化が、私達のチームに訪れたのです」と記している。

これは、僕達が伊豆で経験した「医師の働き方改革」と同じような現象だなと、読んでいて感じた。ただ、僕らは正直なところ、明確なビジョンがあった訳ではなく、結果的によい方向に動いていたというレベルであるが…(苦笑)。

 

本書の中で印象的であったことの一つに、「チーム組織内のルール設定をどうしていくか」という解説があった。設定していくためには、まずはチームを4つのタイプに落とし込み、それぞれのタイプに合わせて、ルールの設定を調整していくというものである。4つのタイプを考えるにあたり、「人材の連携度合い」と「環境の変化度合い」の2軸で考えていくとのこと。「人材の連携度合い」が高いのがサッカー型と野球型、低いのが柔道団体戦型と駅伝型。一方で、「環境の変化度合い」が高いのがサッカー型と柔道団体戦型、低いのが野球型と駅伝型。野球型はルール設定が多く、リーダーが決めることが多く、プロセスを評価していく。逆に柔道団体戦型はルール設定が少なく、メンバーが決めることが多く、成果を評価する。確認頻度は、サッカー型が多く、駅伝型は少ない。病院内で例えると、サッカー型は救急外来全体のマネージメント。刻々と重症度合いの異なる患者が次々と来院し、救急ベッドの空き状況や入院ベッドの空き状況も変化していく。心筋梗塞でカテーテル入院するような循環器内科の場合は、柔道団体戦型か。ルーチンワークが多いが、カテ室やCCUといった各セクションで万が一苦戦することがあれば、その都度、次の対応を考えていく必要がある。1型糖尿病患者のCSII(インスリンポンプ療法)導入目的の入院などは駅伝型か。あまり急性のトラブルは少なく、患者さん本人の理解度もよければ、淡々と進められる。野球型は、一般的な内科や外科病棟の業務か。様々な疾患の患者が入院してくるが、それぞれに対して、各々専門の内科医や外科医がしっかり対応していく。

こういった大まかなイメージ分類を行い、それによってルール設定を見本に照らし合わせながら行っていけば、病院内のそれぞれの職場や各職種によって、だいぶ明確な独自のルール設定をすることができ、かつ、各現場で柔軟に対応を取っていけるのではないだろうか。

 

著者は、「F1レースはコンマ1秒を争っていますが、どのチームも必ずピットインします。ピットインでロスする時間よりも、すり減ったタイヤで走り続けることでロスする時間の方が最終的には長くなるからです。 メンバーのエンゲージメントが低いまま走り続けるチームは、まさにすり減ったタイヤで走り続けるチームだと言えます。」と述べている。

著者らは「チーム作り」を自ら実践したことによって、「チームの共通の目的の実現に向けて、力強く走ることができるチームが生まれました。」と言っている。

今度は、全国の医療機関で「チーム作り」について真剣に考える時間を作り、すり減ったタイヤで走り続けることを止め、力強く走り直す、そういった時期に来ていると言えるのではないだろうか。

「残業学(明日からどう働くのか、どう働いてもらうのか?)」(中原淳+パーソル総合研究所;光文社新書)を読んでみた。これは、今年、自分が読んだ本の中で最もお薦めの1冊かもしれない。

 

「パーソル総合研究所・中原淳 長時間労働に関する実態調査」として、昨年・一昨年の2回、全国の従業員数10人以上の企業の正社員(20~59歳)を中心に、総計22000人規模のデータを集め、残業についての分析・解析を行ったとのこと。この本では、その結果・エビデンスを踏まえて、具体的な解決策の提案もされている。

 

やはり、大規模な人数のデータ解析をしてみると、色々と興味深い新しい知見を得ることがある。

まず、60時間/月以上の残業をしている層は、「ストレスを感じているが、幸せ」と感じる割合が高くなっていた。これを、彼らは「残業麻痺」と命名している。

しかし一方で、60時間/月以上の残業をしている層では、「上司からのフィードバックが得られない」「仕事を振り返る機会がない」「忙しすぎて余裕がない」、「職場外での学びができない」といった成長阻害要因も、結果として如実に高い結果となっていた。また、総務省統計局「平成28年社会生活基本調査」では、80時間/月以上の残業をしている人達は、学習・趣味・自己啓発・社会参加活動などの時間が約4割も削られているとのこと。

 

また、残業しているのは、一般従業員よりも上司層で多く、その中でも課長職が最も残業を強いられていた。そして、残業施策ありの企業では、特に「部下に残業を頼みにくくなった(30.4%)」「休憩時間にも仕事をすることが増えた(30.0%)」と、近年では上司層が残業関連のプレッシャーを強く感じていることも分かった。

上司の仕事の割り振り方で見ると、平等に仕事を割り振る(39.6%)よりも「優秀な部下に優先して仕事を割り振っている(60.4%)」ことの方が、実際には多いこともデータとして示されている。

一方で、20歳代・30歳代の若い人や、常時残業時間が長い職場ほど、「周りの人がまだ働いていると、帰りにくい雰囲気がある」と答えており、「手が空いていると、常に別の仕事が割り振られる」と45時間/月以上の残業をしている一般従業員の30.4%が回答している。これらを、筆者らは、残業の「集中」「感染」と表現している。

そして、部下の残業時間の長さが「上司の若いころの長時間残業経験」と最も強く相関していたとのこと。これを筆者らは、残業の「遺伝」と言っている。

 

なかには「残業代を前提とした家計の組み立て」を行っていると回答している人が40.5%、「基本給では生活に足りない」と回答している人が60.8%もいた。

 

こういった悪循環を解消していくためには、減った残業代を「還元」することも考える必要があり、実際に実施している例として、SCSK株式会社や株式会社武蔵野、株式会社ディスコなどを挙げていた。

 

また、「希望のマネジメント」として、組織の生産性を高めていくためには、「グリップ(組織状況の把握)x(現場進捗の把握)」「ジャッジ(迅速・明確な判断)x(「何が大事か」の意思決定)」、「チーム・アップ(オープンな風土)x(ディスカッション)」という3つの力が必要であると説いている。

そして、それらを現実化していくためには、「業務の透明性」「コミュニケーションの透明性」「時間の透明性」が必要だともしている。

 

令和の時代の日本では、働き続けることが、もはや直接的に「豊かさ」を導かなくなってしまった。と同時に、すでに長時間残業が多くの点で日本経済の「足かせ」となってきている。こういった時代においては「残業をしない」という強い組織開発に対して、経営陣が強くコミットメントする必要がある。そして、従業員の個々の能力が最大限に発揮できるように業務改善を行い、「時間あたり成果」を上げられるように「チーム」としての職場づくりを行い、仕事と生活が共栄していけるよう、みんなで様々に協力し合って、時代を変えていくことが必要なのではないだろうか。

昨日の日経新聞の朝刊に、「産業医 交代相次ぐ;社員の健康管理、法改正で見直し 知見不足の医師排除」というタイトルで、産業医関連の記事が載っていた。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20191212&ng=DGKKZO53238770R11C19A2CR8000

記事にもある通り、産業医の役割を強化する働き方改革関連法が今春に施行されたこともあり、産業医を再選任する企業が相次いでいる。一番典型的な例は、ストレスチェック後の社員の面接指導を産業医に求めたところ、断られてしまったという事例。今までは、まさに「腰かけ産業医」が多く存在し、結果として産業医の『名義貸し』が横行していた。しかし、令和の時代に入り、企業は産業医を活用し、電通の新人女性社員の自殺のような過労死事案を防ぐことが、社内での重要課題の一つとなっている現在では、「実務経験が豊富で企業の要望に十分に応えられる産業医」がますます強く求められるようになってきている。

その産業医の二極化が浮き彫りとなってきていることを、この記事は上手に表現しているなと感じた。

実は今回、僕も日経新聞の記者の方にインタビューを受けていた。

そもそものきっかけはhrms-jp医療人事労務マネジメント研究会代表の社会保険労務士である河北隆さんから、日経新聞の取材を受けてみないかとお誘いがあり、同席させていただいた。

2時間近く、今回の産業医腰掛け問題や、医師の働き方改革についてなど、ざっくばらんに色々ディスカッションすることができた。

残念ながら、僕の名前は記事に出ることはなかったが、まずは「医師の働き方改革」についてなど、自分が取り組んでいる内容などの話しを聞いてもらえたことは大変良かったと思う。

そして、記者の方から、最近産業医を変えた企業や、産業医派遣について詳しい人を紹介してほしいと言われたので、あるIT企業と、メディカルトラスト(現 日本産業医支援機構 執行役)の佐藤典久さんをご紹介した。

 

そういった取材の内容も記事に含まれていたが、最近は産業医業界が良い意味でもそうでない意味でも、注目度がどんどん高まってきており、世の中的にもホットな領域になって来ているのを、日々肌で感じる。そして、先月のセミナーで河北社労士とともにご一緒させていただいた、企業内弁護士等で活躍され、労務関係に詳しい、小島健一弁護士が「産業医が労使の対立の仲裁を求められる場面が増えており、生半可な知識では役割を果たせない。」とコメントされている。全くその通りだと思う機会が本当に増えてきており、そういった意味では、日頃からしっかり勉強や情報収集を行っていかなくてはと、改めて気が引き締まる思いである。