全国会議に出席

先日、東京・駒込にある日本医師会館に行ってきた。

何しに行って来たかというと、第43回産業保健活動推進全国会議という会議にて、シンポジストとして、20分のプレゼンテーションもさせていただいた。

 

これは主催者である、厚生労働省・日本医師会・都道府県医師会・労働者健康安全機構・ 産業医学振興財団が、各々との意見交換を行い、産業保健活動のあり方について検討を行うことが目的であるとのこと。

実際に、現地とオンラインにて、各団体の理事の先生方等が参加されていたのだが、これだけ聞くと、何となく会議自体はおざなりで、形式だけのものといった印象を持つ方もおられるかもしれない。

僕も参加するまでは、些かそういったものなのかと思っていた節があったが、実際は非常に内容の濃い会議であった。

 

今までがどの様であったのかは、僕にはもちろん全く分からないが、今回のタイムスケジュールでは、そもそも会議自体が4時間のスケジュールとなっていた。その中で、「産業保健総合支援事業に関する活動事例報告」や「医療機関における働き方改革」についてのシンポジウムがあった。

さらに、加えて、厚生労働省労働基準局安全衛生部の方から「化学物質に対するリスクアセスメント等、労働安全衛生法施行令の一部改正」についての説明があった。

産業医でも、工場などの事業所も担当されていると、非常に重要な内容である。こういった内容を、実際に産業医として活動されている多くの医師会の先生方にも周知していただきたいということで、きちんと時間を割いて分かりやすく解説していただいた。僕としても、貴重な機会となり、大変勉強になった。

 

そして、私と同様にシンポジストとして参加されていたのが、飯塚病院の麻生会長であった

関東にいるとよく分からないが、何となく九州の飯塚病院は研修医もたくさん集まるいい病院であるという噂は聞こえてきていた。しかし、実状は全然分かっていなかったのだが、30年以上前は、なかなかに経営をすることも医者を集めることにも四苦八苦されていたとのこと。

しかし、そこから様々な工夫をされ、医者や看護師が辞めたいと思わせない取り組みをされてきた。これにより、昨年度の看護師の離職率は4%台。新卒看護師の離職率は0%であったとのこと。驚異的な数字である。

そして、奇しくも、僕と同じような結論として、「医師の働き方改革」を行えば、このように離職率は下がり、医療レベルを下げることなく、地域医療を支えるために貢献し続けることができるといった内容であった。

 

私の話しも含めて、参加されていた医師会の先生方からは、こういった「医師の働き方改革」を積極的に行うことのメリットに関した内容の話しについては、思った以上に好意的に受け取られていた。コロナ前の頃であれば、「そんなことをやっても意味がない」とか「医者は好きなように働き、残業時間等を制限される言われはない」といった拒絶的な反応も少なからずあったと思うが、今回はそういった反応は全くと言っていいほど見られなくなっていた。

 

公立学校の先生や霞が関の官僚の方々についての働き方改革も、メディア等でクローズアップされるようになった昨今。「医師の働き方改革」はいよいよ本格的な取り組みとして始まってきていると、この会議に参加させていただいても、改めて強く感じられた。

残り2年弱。日本全国、様々な病院がさらに前向きな取り組みが行えるように、僕自身も一生懸命にサポート支援していきたいと思う。