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緊急事態宣言が解除されたことに伴い、都内もいよいよ人の動きが多くなってきている。

この自粛要請の期間に、色々と本を読んだり、映画を観たりもしていた。

 

何を読もうかと思っていた矢先に、たまたまタクシーに乗って、年配の運転手と新型コロナウイルス感染症の話題で話し込んでいたところ、この「復活の日」を教えてもらった。

 

僕自身は全く知らなかったのだが、「復活の日」は、小松左京が1964年に書き下ろしで発表した日本の戦後初期のSF小説である。しかも、巻末の解説を読むと、当時、小松左京は海外旅行未経験であったとのこと。にもかかわらず、ヨーロッパ各国やアメリカ・ホワイトハウスなども舞台にした、全世界をまたにかけた壮大な未曾有の感染症SF作品を作り上げてしまったというから驚きである。

しかも、小説の中では、たかがインフルエンザと思われていた感染症で、バタバタと人々が街中で倒れ死んでしまうというシーンが描かれ続けている箇所がある。

この新型コロナウイルス感染症における緊急事態宣言下で自粛要請を受けている我々にとって、これはもう現実なのかフィクションなのか、正直全く区別がつかなくなってしまう。

お恥ずかしい話、僕自身も、これを読んでいる最中、銀座や都内の大学病院で死者がうず高く積まれている様子がだんだん現実と区別がつかなくなってしまうほどであった。

このため、あまり気がお強くない方は、あえて今読まない方がよいかもしれない。

 

そして、Wikipediaによると、(旧)角川春樹事務所とTBSの製作により、1980年6月に東宝系で公開されたSF映画で、英題は“Virus”とのこと。このタイトルも、今まさにズシンと来る表題である。

本を読み終えた後、思わず、この映画もプライムビデオで観てしまった。

内容は少しアレンジされていて、原作よりさらにリアリティがあるセッティングになっていた。というのは、よりパンデミックに移行していく様子が洗練されていた。恐らく時代が進み、多くの人が議論してよりクオリティが上がっていったのであろう。

大抵の場合、原作がアレンジされて映画の方がつまらなく感じることが多いというのが、僕の印象であるが、この作品に限っては全然違っていた。

 

確かに、原作ではウイルスにもかかわらず、「抗生物質を飲んでいれば大丈夫」というような内容もあり、まだまだ科学的に緻密でない箇所もところどころ見受けられたり、パンデミックになった時にスーパーでの買い占め行動や外出規制が無かったりといった、ちょっとピントが外れた箇所も認められたが、半世紀以上前の日本で、一作家が想像力を膨らませながら、ここまで人類滅亡の危機まで陥っていく様子を描いたことは、本当に渾身の一冊であると思う。

 

また、各国の南極観測隊だけが生き残っていくのだが、今まさにリアルワールドでも、南極だけがこの新型コロナウイルス感染症の影響を受けていないエリアとなってきている。

そして、私自身、現在、南極観測隊の同行医師をしている友人に、その旨のメールを出したりもしている。彼らにはこのまま感染することなく任務を続けてほしいと思う。

この小説のように死者が増え続けることがなく、現在も日本は日常を維持しようと必死で頑張っている。世界の情勢がどの様に推移していくのかまだまだ予断は許さないが、我々も、こういった作品で今後の予測をしっかり熟慮しながら、安全に無事に乗り切っていけるように頑張っていくしかない。

そして、1日でも早いワクチンや特効薬の開発がなされることを願うばかりだ。