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先月23日の日本経済新聞朝刊に、気になる記事が掲載されていた。

高齢医師が老いた住民を診る「老老医療」が増えとのこと。そして、日本経済新聞の分析によると「大都市圏では2026年までの10年間に後期高齢者1人あたり診療時間は2割減少。医師の不足感が過疎地並みになる地域が2割に達しそうだ。遠隔診療の普及など医療の生産性を高める対策が必要だ。」と書かれている。

秋田県内では「大館市や鹿角市など3市町がひとつの医療圏。住民の36%が65歳以上で、医師の3分の1が60歳以上だ。10年前から開業医は3割減った。新型コロナウイルスが追い打ちをかけ、この病院では残業が増えた。」

ただ、「全国で医師が減っているわけではない。医師数は18年で32万7千人と10年間で14%増えた。ただ、医師に定年がない要素が大きく、59歳以下はわずか5%増。男性医師の平均勤務時間は40代の週70時間超から60代は50時間台に減る。かたや75歳以上の後期高齢者は受診回数が急増する。医師の年齢や勤務時間を考慮すると、高齢化が加速する大都市も厳しくなる。」とのこと。

 

正直、都心部で生活されている人達や医師でさえ、このニュアンスは伝わりにくいかもしれない。

ただ、僕自身、伊豆長岡の大学分院で勤務していた時に、伊豆半島で新規開業したという話しはほとんど聞かなかった。一方で、高齢医師が体調を崩し、閉院するといったことは、毎年一度は耳にしていた。

それくらい、地方、特に僻地になればなるほど、若いドクター達が新天地でクリニックを開業するといったことは、すでにほとんどなくなってきている。しかも、既存の病院からも常勤医は徐々に徐々に減少し続けている。

 

国は、地域医療構想を念頭に、「医師の働き方改革」の最終ゴールとして、地方にもきちんと必要な医師が配置されていくよう施策をうち始めている。ただ、現実はそれとは逆行して、地方の医療崩壊が進んできていることが、今回の記事からも伺われる。

これから5~10年すると、急激に女性医師が増え、男性医師が減っていく。現在の地方医療を支えている医師が圧倒的に男性医師であることを考えると、日本の医療の将来を考えていく上で、かなり踏み込んだ政策等の取り組みを行っていかなければ、この負のスパイラルを正のスパイラルに180度転換させていくことは容易でない。

 

ただ、悲観的なことばかりを言っていても仕方がないし、実際に病院全体でコミュニケーションを積極的に取ることによって、打開策を上手に図っている病院も全国でチラホラ見受けられ始めている。

こういった取り組みをされている病院について、今後、徐々にこのブログでもご紹介させていただけたらと考えている。