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今月、デジタルヘルス学会学術大会が開催されていた。

今後、糖尿病重症化予防対策として、遠隔診療も必要になるかなと思い参加してみた。ただ、どんな内容のシンポジウムがあるのか、どんな演者の先生方がおられるのかちょっと想像がつかなかった。

 

午前中、北原国際病院の北原茂実理事長のご講演であったのだが、度肝を抜かれてしまった。新聞などでアジアに進出した病院として紹介されている記事を少しだけ見たことはあったが、実際お話しを聴いてみると、かなり日本の中での一般的な保険診療からは「異端児」的な発想で医療事業を拡大されていることが分かった。

初めてお話しを聴いたので、ちょっとすぐに受け入れ難い程に規模の大きい事業内容だったが、確かにこれくらい発想の転換をしていく必要があるのかもと、大変考えさせられた。

 

午後には、「行動変容」というテーマもあったので行ってみた。

ドコモヘルスケアの女性社員が講演されていたが、元々ゲームソフト開発部門にいたとのこと。健康に興味があったわけではないらしく、このため「健康になりましょう!!」というアプローチではなく、「楽しくてオトク!!」なコンセプトで、有料の健康アプリを開発していったとのこと。

そうすることによって、基本健康に興味を持っていない人達もポイント欲しさに歩数を稼ぐ。しかし、次第にそれが常態化していくと、いつしか歩くことが自分の中で当たり前になり、いつの間にかウォーキングの習慣が身についている人も多いとのこと。

今回の学会長のお茶の水循環器内科院長・五十嵐建祐先生も、独自の健康アプリを開発し、患者さんがある一定の歩数以上歩くと、全く換金性のないキーホルダーやクッションなどをプレゼントしているとのこと。クリニックの診療カードをゴールドカードに交換も可能とのこと。ただ、それでVIP待遇になったりはしないらしい。課金することを目的とせず、達成感をあまりお金とは関わらない形で「承認」してあげることが大切なポイントなのかなと感じた。

 

先日の行動経済学の「ナッジ」といい、今回の演者の方々の講演内容と言い、従来の古臭い「教育的指導」から、いかにその気にさせるのかといったことが大切であり、それができると参加率や継続率が飛躍的に上がるといったことを知った上で、医療者も健康増進に取り組んでいくことが、今の時代には求められており、重要なことなのだと改めて思い知らされた。

 

昭和に育った人間としては、時代が大きく変化しており、発想の転換をしていかなくてはいけないことは、正直頭の痛いところである。しかし、何とか”平成の次の時代”に見合った、健康増進プログラムを企画していける様に、自分の頭をできる限り柔らかくして考えていきたいと思う。