News・Blog

いよいよ夏の甲子園がはじまり、今年も連日熱戦が繰り広げられている。

そして、皆さんご存知の通り、高校球児の「投げすぎ」問題について、大船渡高校の佐々木朗希投手の地方大会決勝での登板回避問題で大きく話題になり、賛否両論の意見が沸き起こった。

 

テレビ等の報道を見ていると、当初は投げさせるべきだったのではという意見の方が多かった気がする。

その賛否両方の見解についても、皆さん様々な意見を聞かれたと思う。

 

僕自身は、このニュースを聞いた時に、大船渡高校の判断は、凄く冷静に当然の判断だなと感じた。

先日ある記事を読んだ時に、尤もだと思った。どこの記事だったか思い出せないのだが、そこには、

「なぜ投げさせなかったのだ」と言った意見を持った人の中で、もし佐々木投手などの将来有望な選手が、高校野球の試合によって肘・肩の負傷をしてしまっていたら、「なぜ投げさせたのだ」と言う発言に変わる人が、かなりの割り合いでいるのではないか。

 

実は、息子の高校球児の生活も7月に終わりを告げた。息子のチームも、この春甲子園出場校と8回表まで同点と善戦していたが、最後2年生エースが力尽き、8回裏に猛攻を受け、残念ながら、そこで最後の夏は終わってしまった。そのピッチャーも約2週間の間で4試合目だった。もう余力は残っていなかったと思う。

 

これが甲子園出場を目指すとなると、3週間で7~8試合ということもあり得る。高校最後の夏、自分達の人生をかけた試合を、一人のピッチャーで投げ抜くということの過酷さは、あまりにも過剰な負荷がかかってしまうのではないかと、ずっとこの10年間ほど子供達の試合や練習を見てきて感じた。

そして、私自身は、もっと深刻な状況なのは、高校生ではなく、小学生・中学生の野球環境だと感じている。

 

特に小学校のいわゆる少年野球のピッチャーの酷使は、想像を絶することが多かった。

イニング数は少ないとは言え、小学校5~6年生ともなると、強いチームだとかなり緊迫した白熱した試合になることが多い。そうすると球数も増え、かなり全力投球が余儀なくされる。実際には100球前後投げていることの方が多いと思う。

しかも、通常、週末しか試合ができないので、勝ち進んでいくと土・日曜日と連投することが多い。夏休みなどであれば、もっと過密スケージュールのことも珍しくない。

しかし、監督やコーチなどの大人達の中で、連投していることや球数についてほとんど関心がない人達が多いことに心底驚いた。むしろ、自分の権威を高めんとばかりに、勝ちにこだわり、連投であっても平気で無理な選手起用を要求する監督さんを少なからず目にしてきた。

 

もしかしたら、大谷やダルビッシュ級のピッチャーになるはずの選手も、この環境の中で何人もケガや肘・肩痛で戦線離脱してしまった可能性があるのではないだろうか。実際に、私の周りにも、野球の才能ある子供が、連投などによって肘・肩痛で投げると痛みが出て、どうしたらよいのかと、困っている親御さんも、正直何人もおられた。

 

今回は、整形外科の先生が「トミー・ジョン手術を施行した4割が高校生以下」という、カミングアウトを勇気を出して、メディアに発信していただいた。これからは、こういった専門家の先生方から、正しい情報発信や対応策について、もっとたくさん行っていってもらいたいと思うし、そうなっていくと思う。

 

確かに、僕も子供の頃から高校野球は大好きで、ずっとテレビで応援してきた一人である。

しかし、オリンピックもアマチュアスポーツからプロの選手が万全の状態で準備をして、真の世界一を競う大会に変化していったように、野球においても、高校野球をピークにさせるのではなく、プロ野球やメジャーリーグ、そして世界大会で日本代表として活躍してもらうことを、目標のピークに持って行く時代に変わってきたのではないかなと思う。

 

我々も、佐々木投手のメジャーリーグでの大活躍する姿や、日本代表を優勝へ導いてくれる姿を見れば、「あの時、甲子園に行くのを我慢してくれたことが報われた」と思えるようになるのではないだろうか。

そして、それを見ることができれば、大船渡高校で一緒に一生懸命に練習を共にしてきた野球部ナインも、本当に心からよかったなと思えるのではないかと思う。それくらい、素晴らしい選手であると一番間近で見てきた仲間であるのだから。