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今週、「行動変容につながる健康情報発信のデザイン」というタイトルで、順天堂大学総合診療科 専任准教授で、さんぽ会会長もされている福田洋先生と、NHKエデュケーショナル科学健康部主任プロデューサーの藤井耕介様のご講演を聴く機会があった。

 

福田先生は、保健医療分野でも、これからは今まで以上に「誰に(to Whom)」「何を(What)」「どう(How)」伝えていくか、様々に工夫を凝らしていく必要があり、そのためには「動画」で情報発信することも求められる時代になってきたのではないかと仰っていた。

実際に、福田先生ご自身も少しずつ「動画」で医療情報を発信していけないか模索され始めていた。このように医療者側が多種多彩なアプローチ法をとってでも、一般人である受け手側に「印象に残る」ようにコミュニケーションを取っていくことが大切ではないかと、ヘルスリテラシーの第一人者としての考えを述べられていた。

 

また、藤井様からは、普段NHKでどの様なコンセプトを持って番組制作をされているかを教えていただき、制作にあたっての大切な考え方をお話しいただいた。

その中で、まず「キャッチコピー」を考えること。そして、情報を自分の中でしっかり咀嚼する。そして、様々な目線から「伝えたいこと」を見直し、自分が発信したい内容は「なるべく具体的に、その人の立場にする」ことが重要だと仰っていた。

 

その中で、僕が印象的に残った言葉は、「そもそも、受け止める方は常に多様性なのです」と言われた言葉だ。

NHKといえば、毎日本当に多くの方々が視聴されており、常に様々なご意見・クレームなどがあるかもしれない。その中でさらに、「自分の伝えたいことは1つに絞る」とも仰っていた。

昨今、どの様に多様性・ダイバーシティを受け入れていくかということが話題となっているが、そもそも我々は古くから、多様な受け止め方の中で、どの様にコミュニケーションを取って行けばよいかをずっと模索してきているのだなと、今更ながらに思った。

 

伝えることのプロから、意外にも「伝えるテクニック」ではなく、「伝える思いの大切さ」を伝授していただいたことは、我々医療者にとって非常に重要なことではなかったかと思う。

 

我々が扱う情報発信は、テレビに比べれば本当に小さなマスである。しかし、その内容は常に医療情報であるのであるから、しっかり「伝えたいこと」を1つに絞り、受け手の一般人の方々に「印象に残って」そこから「健康増進に繋げてもらう」ように、今まで以上に高いレベルで創意工夫していくことが求められている時代なのだと感じた。