日本肥満学会より「成人女性の低体重・低栄養症候群(FUS)」が提唱されました

日本肥満学会は昨日、記者会見を開催し、18歳から閉経前の女性における低体重や低栄養の状態に対する新たな疾患概念として、「女性の低体重/低栄養症候群(Female Underweight/Undernutrition Syndrome:FUS)」が提唱されました。

女性特有の病気、疲れやすさ、体調不良…… 一見バラバラに見える不調も、 「低体重」や「低栄養」が共通の原因かもしれません。

目に見えるのは、氷山の一角。 本当に見るべきは、その“下”にあるのです。

日本肥満学会のワーキンググループ副委員長で順天堂大学大学院医学研究科 スポーツ医学・スポートロジー 教授の田村好史先生は、女性の低体重・低栄養は、骨量の低下や骨粗しょう症など健康リスクや症状を引き起こす可能性があると述べられています。

また、本疾患の定義に診断基準は含まれていません。その理由について、「診断基準の設定を試みたが、基準を明確に定めるエビデンスが不足しており、今回は疾患概念としての枠組みを提示することにとどめる方針とした。診断基準や介入・治療法の確立には、一定の疾患概念に基づく科学的エビデンスの蓄積が必要となる」とのこと。

現在、順天堂大学スポートロジーセンターでは、まさにこの「女性の体型と健康リスクの関係を明らかにする観察研究」が行われています