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今週、伝塾メンバーの先生2名が、いよいよ来月に産業医専門医試験を受験するとのことで、その予行演習が行われた。

 

実は、産業医専門医試験は、通常の臨床系専門医試験と比べ、一風変わっていて、1泊2日で行われるそうだ。しかも、筆記試験の他に、個人面談、課題発表、グループ討議と3つの口頭試問を要求されている。これだけ口頭試問を行えば、コミュニケーションに大きな欠点を持ったドクターは、完全に炙り出されてしまうであろう。

やはり産業医は、企業の中で非医療者の方々と、日々きちんとコミュニケーションを取っていく必要があるため、これだけ厳格にチェック機構が働いているということであろうか。

 

そういった特殊な試験背景があるため、僕らもグループ討議に加わったり、課題評価のコメントをさせてもらったりして、お手伝いをさせてもらった。予行演習であるのに、すでにお二人の先生ともに、素晴らしいレベルでのプレゼンテーションであった。

 

口頭試問の中には、人事部長に対し7分でプレゼンテーションをして下さいといったお題が出てくるのだが、そこで、印象的かつ、勉強になったことは、とにかく「解決型のプレゼンテーション」を行っていくということであった。

ただ単に問題点を列挙していくだけでなく、それらを解決するためには如何にすればよいかを、きちんと論理的に話すことが重要なポイントであった。

そして、そういった前向きなプレゼンテーションを聞いていると、聞いている方も非常に気分的にハッピーな気持ちになれるし、一緒にやって行こうという気になっていくものだとも感じた。

 

そして、問題点を洗い出していく際に、クリアカットに分類し、他の人達に一目でわかるようにホワイトボードに表などを用いて書き出していくことも、大変印象的であった。

例えばグループ討議で、ミスが多く、周りとあまりコミュニケーションを普段取らない若手社員の問題点を、「事例性」と「疾病性」に分類。こうして問題点を明確にし、さらに、面談すべき人物を「本人」「上司」「人事部」に分けて、何を聞く必要があるのかを明らかにしていった。そして、問題点が浮き彫りになったところで、どの様な解決手段を取る必要があるかを、今回は15分間の短い時間にも関わらず、模造紙にこれらを要点にまとめて、5分でプレゼンされていた。

 

見ている方は、「ああ、そういうものか」と思ってしまうが、これを実際に自分で行うとなると、「司会進行役」も「書記」も「プレゼンター」も本当に難しい役回りだと思う。

 

日本には、産業医専門医は未だ500名程度しかおられないとのこと。有機溶剤のことや労働安全衛生法のことなど、覚えなくてはならないことも、臨床医が思っている以上に遥かに多い。そして、これらのプレゼンテーション能力も問われる。この予行演習を直に体験させてもらって、こういった専門医試験をクリアされた先生方がおられる職場は、本当に素晴らしい職場になっていくのだろうなと、改めて感じた。