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ご存知の通り、昨年、障害者雇用水増しが各省庁でも発覚し、ニュースでも大きく取り上げられていた。それも踏まえて、今年からは民間企業では法定雇用率に満たない場合、ペナルティーが科せられることも決まり、障害者雇用については、日本中でより積極的に取り組まれるようになってきている。

 

この障害者雇用、特に精神・発達障害の就労支援を遠隔で行うことも徐々に広がりをみせているようで、「SPIS(エスピス:Supporting People to Improve Stability)」という、精神・発達障害のある労働者の福祉サービス(就労移行支援)と障害者雇用の現場で開発された、自己管理/就労継続支援のためのWeb日報システムを、今月のさんぽ会で紹介されていた。

 

このSPISは、大阪のIT系のベンチャー企業が立ち上げたシステムだそうで、既に延べ150社以上700名以上が利用され、職場定着に高い実績を上げておられる。今回は、島津製作所や全国土木建築国民保険組合での実際の取り組み事例も紹介されていた。

 

SPISの特徴は、障害を持たれている本人がセルフチェックとして3~7個ほどの評価項目を提示し、それを定期的に4点法で点数評価、自由に意見・感想を書く欄も設けられている。これを、直属の上司や人事担当者といった職場内担当者(内部支援)と、臨床心理士などの資格を持ったSPIS相談員(外部支援)の3者が、ITネットワークの中で対話するような形式を取っているとのこと。

 

このセルフチェックの数値を経時的に追っていくだけでも、当事者の体調・精神的な不調の有無が客観的に評価できるとのこと。そして、直接会話でのコミュニケーションが苦手な発達障害を持つ社員でも、フリーコメントに「書き言葉」で自分の思いを記載することによって、普段なかなか上手に伝えられないこともきちんと伝えられることがよくあるそうで、それにより、職場内での相互理解に繋がり、それが当事者の安心感や自信になっていくことも少なからずあるとのこと。こうした取り組みを行うことにより、障害者の離職が減り、障害者の業務の効率アップにも繋がっていくそうだ。

 

前職では、就労支援チームのスタッフが非常に優秀で、あまり産業医として関わることが少なかった。

このため、今回、SPISでの取り組み事例を初めて聴かせていただいたことで、精神・発達障害の雇用管理や就労継続支援をどの様に行っていけばよいのか、非常に理解しやすく、イメージすることができるようになった。

これを機に、さらに私自身も、産業医として精神・発達障害の方々の支援を積極的に行っていきたいと思う。