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今週の伝塾では、同期のママさんドクターでもある「よっちゃん」こと、山越志保先生の担当会であった。

話題提供として、長時間勤務者についての対応について、プレゼンテーションしていただいた。

 

世の中は働き方改革の波に押されて、急激に残業が減ってきているが、実際にはどの会社もこの「残業削減」を行うために、色々な苦労をしながら対策に追われている。

 

今回提示していただいた事例の1つが、アニメ制作会社であった。アニメ業界は、医療業界に引けを取らないくらい、多くのスタッフがかなりの長時間残業時間をしていることでも有名な業界である。

山越先生が産業医をされている会社も、赴任当初は正にその状態で、月100時間を超えている社員も沢山おられたとのこと。

 

そこで、衛生委員会等で、社員との信頼関係を少しずつ築いていきながら、山越先生の強い要望を人事部の人達も快く受け止めて、全社員のヘルスリテラシー向上のために、4~5名を1グループとしたグループ研修を1年半かけて、3クール行ったとのこと。それにより、生活習慣病や腰痛対策、メンタルヘルスケアについてなど、直接全社員に話しかけることができ、次第に社内のヘルスリテラシーも徐々に上がっていったとのこと。

 

また、これらのグループ研修や衛生委員会等を通して、現場の声を拾いながら、役員クラスや人事の方々とも協力し、必要な部署に人を増やしたり、可能な業務はアウトソーシングしたりと、様々な「残業削減」対策について工夫を行っていくことによって、赴任当初と比較すると格段に残業時間の短縮が図れたとのこと。さらに、特にそれによって業績が下がることはなく、今流行りの「生産性向上」も図ることができた。

 

他にも、半導体メーカーの事例も紹介されていたが、両社に共通していたことは、社長や管理職・役員クラスの方々が、職場の業務改善、働き方改革を行おうと、自ら率先して音頭を取ったこと。

よく巷では、残業が減れば売り上げも下がると言われたりもするが、この両社は、業務改善後も業績は変わらず好調とのこと。

あとは、残業代が減った分のお金を、如何に社員に還元していくかということが、大切なのではないかという議論にもなった。

 

きちんと現場の声を拾うようにしたり、社長が先頭を切って音頭を取ることで、不思議なくらいに、勤務時間が減っても業績は下がらないことが多い。そういう意味で、やはり今までは働き過ぎていたわけで、ある程度まで残業時間を減らしても、きちんと業績を上げている会社ではむしろ「生産性向上」の方向に進んでいくことがかなりの高い確率でできていくのではないかと実感させられる事例紹介であった。

 

ママさんドクターでありながら、そういった母性の愛情を、産業医として会社に注いだことによって、その恩恵を受けた会社がさらに活気づいた事例と言えるのではないだろうか。今回も、本等に素晴らしいプレゼンテーションが聴けて、非常に勉強になった。