コロナ禍における、がん検診控えのリスク

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが長期化し、変異株による感染拡大もあり、医療においても様々な問題が噴出してきている。

 

その中の一つが、いわゆる検診控えである。健康診断を受けないことにより、特に重篤な疾患を見落としたりした時の影響は計り知れない。

現実として、昨年、がん検診の受診率が大幅に3割も減少していることが明らかとなっている。このため、がんの診断数も減ったとのこと。https://www.jcancer.jp/news/11952

 

実際には、コロナ禍であっても、例年よりがんが減るということは考えられない。このため、早期発見を見過ごされている症例が少なからずいることが危惧される。

 

確かに、コロナ感染の懸念はあると思うが、内視鏡検査や超音波検査など、消化器内科の先生方を中心に感染予防対策もきちんと行われている。このため、過剰にコロナ感染を意識し過ぎて、自分の身を守る機会を逸してしまうことが無いように、今一度考えてみることも必要である。

 

また、高齢者のワクチン接種が進み出してもいるので、2回のワクチン接種が終了したところで、今年度の健診や人間ドックの予約を行うといったこともアリだと思う。

 

年度末になると、若い人たちのワクチン接種も進み、健診の希望者も増加すると予想される。このため、是非、2回接種を終えた人から、速やかに今年度の健診を受けていただいて、みんながきちんと今年も健診が受けれるように、お互い配慮し合えればと思う。

 

今回のコロナでは、イレギュラーなことが起こり、本当にそれに振り回されることが多いが、アフターコロナで、いよいよ制限なく活動できるためにも、今一度、自分の健康や安全を守るように、多くの人のヘルスリテラシーが上がればと思うし、そういった活動を、我々医療者もより一層重点を置いていく必要があると言える。