血管のオートファジー機能低下が動脈硬化進展や大動脈瘤形成を促進する
~ 血管障害のメカニズム解明による新規予防・治療薬開発の可能性 ~
昨日の日本経済新聞朝刊を読んでいたら、私の医局の後輩にあたる、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の三田智也准教授、遅野井 雄介助教らの研究グループが、血管障害にオートファジーが重要な役割を果たしていることを発見したことを、科学雑誌「Autophagy」オンライン版(2018年7月19日付)に発表したという記事を載せいていた。
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15548627.2018.1501132
オートファジー不全モデルマウスの解析により、血管平滑筋細胞のオートファジーの機能低下が細胞死や細胞老化を引き起こし、また、動物性油脂を主体とした高脂肪、高カロリー、高コレステロール食の摂取による動脈硬化の進展と大動脈瘤の形成を促進すると、順天堂大学ニュースで報じられている。
https://www.juntendo.ac.jp/news/20180723-02.html
今までも三田先生らは、糖尿病やその他の生活習慣病と動脈硬化の関連について研究を進めてきたが、今回の研究は、血管平滑筋細胞でのオートファジー機能が、血管障害予防・治療の新たな標的となる可能性が示唆される。
そして今日、本当に偶然、山手線で三田先生とバッタリ会った。日経新聞を読んだよと伝えたら、嬉しそうに「有り難いことに取材してもらいました」と話していた。なかなか日の目をみれない時期もあったが、文句も言わず黙々と研究に打ち込んでいた姿も見ていただけに、是非、今後も彼の素晴らしい活躍を期待していきたい。