効果的なコミュニケーションの鍵は、信頼性の構築

今月、チームビルディングについてのセミナーを受講する機会があった。

セミナーを受けてみて、部下との効果的なコミュニケーションを行っていくプロセスの中で、重要なポイントの1つは、「信頼性の構築」であるということが非常に印象的に感じた。

 

現状を望ましい状態に引き上げるために、上司は部下を誘導(リード)していく必要がある。かつての上意下達の縦社会では、この様にグイグイ上司が部下を引っ張っていけばよかった。

しかし、今の時代、まずは「上司が部下にペースを合わせる」ことをしないと、「信頼性の構築」が築けない。そして、この「信頼性の構築」が築けた後でないと、「目的に向けた誘導(リード)」を行うことができない時代になった。

この上司が「部下へのペース合わせ」を怠ったまま、「目的に向けた誘導(リード)」を行おうとすると、「パワハラ」と部下から言われてしまう可能性が少なからずある。

 

先日、「病院内の働き方改革」のお話しをしたが、今回のセミナーを聴いて、まだまだ病院内では、「上司が部下へのペース合わせを怠ったまま、目的に向けた誘導(リード)を行おうとする」ことが、高い頻度で行われてしまっているのではないかと感じた。そして、そのために近年、多くの病院では残業時間など業務改善が行われず、即戦力で働いている医師の先生方の退職者もじわじわと増加してきているのが日本の現状ではないだろうか。

 

これを改善していくためのキーワードは、「上司が部下へのペース合わせを怠ったまま、目的に向けた誘導(リード)を行おうとす」ミスリードを失くしていくこと」なのではないかという気がしてならない。

 

そうすると、先日の結論と同様、あらゆる医療機関において、病院長や看護部長などの医療職のリーダー・幹部クラスの医療者達が、やはりコーチングやチームビルディングなどのマネージメントに関することについてしっかり勉強し、明日からでも部下に対しきちんと「部下へのペース合わせ」ることをしっかり実践しながら、普段からコミュニケーションを多く持つ機会を作るということが、必要不可欠な時代に突入したと言わざるを得ないのではないか。