年末の初詣

コロナのパンデミックになってから、初詣を年始には行わずに、前年末の30日や大みそかに行くようになって早3年。いずれも京都市内の寺社に行っているのだが、今回はかなりの人出になっていた。

 

近年、四条大橋から八坂さんまでの四条通の商店街では、いわゆる祇園らしいお土産屋さんがかなり増えてきたので、買い物に行った。その流れで、そのまま八坂神社にお参りした。商店街のかなりの賑わいそのままに、参拝客もかなり多かった。

そして驚いたのが、岡崎神社だ。正直な話、実家からかなり近い場所にありながら、僕自身は中に入ったのは初めてだった。30日の夕方4時ごろに行ったのだが、相当な賑わい。参拝までの列は約5分程。そして、お守りなどを買おうと思ったのだが、まさに長蛇の列。しばらく並んでみたが、どうみても1時間くらいは十分にかかりそうだったので止む無く断念した。なぜこんな行列だったのかお分かりだろうか?

実はここ、うさぎに由来する神社なのだ。ホームページを見ると「往時境内を始め地域一帯が野うさぎの生息地で、多産なうさぎは古くから氏神様の神使いと伝えられる」とあった。また一説によると、場所は京都市内の北東方向であり、方位神で表すと〝卯〟の方角であることから、うさぎと密接な関係が生まれたとも言われている。

今年は兎年。ウサギに関するお守りや小さな置物などが売られており、特に観光客が殺到していたのだ。これが元旦なら分かるが、12月30日なのである。京都のオーバーツーリズムはいよいよ復活の兆しであることが、こんなところでも垣間見られた(今後が恐ろしい…)。

翌朝、東京に帰る前に少しだけ京都観光をしていこうと思い家を出た。そこでダメもとで、もう一度岡崎神社に寄ってみた。すると数分並んだだけで買え、「未完了を完了させる」ことができ、非常に満足感を感じた。そして、車を運転して地元のFMを聞いていたところ、まさに岡崎神社が紹介されていた。そこでは「皆さんも、是非初詣に行ってみては」とDJさんがあまり関心が無さそうに言っていたが、「いやいや、行ったら恐ろしい大行列やで」と、思わず一人でツッコミを入れてしまった。

 

その後、今宮神社に行ってみようということになり、そこで有名なあぶり餅も食べようと思った。しかしこちらは、路地を向かい合わせで2件あるのだが、いずれも店の扉がしっかり閉じており、買うことができなかった。どうも、大みそかの夜、年明け早々の深夜営業のための準備を行っているような気配が、店から伺われた。しかし、大みそかのお昼には店を開けてくれなかった…。京都でも知れ渡っている超名物が食べられず、こちらは「未完了を完了させる」ことができなかった。甘いものが食べられなかった時の落胆は大きい。次回京都に帰省した時は、必ず買いに行かなければ…。

そう言えば、本題を忘れてしまっていたが、今宮神社もお隣の大徳寺も、参拝客はそこそこいた。こちらは観光客と地元の人達が半々といった感じだった。

折角だったので、「京都の石庭3選」とも言われている大徳寺の瑞峯院にも立ち寄った。その日は寒くはあったが素晴らしい快晴で、石庭が見られる縁側は非常にぽかぽかと暖かく静かで、それほど人もいなかった。このため、本当はお昼寝するには最高なシチュエーションであった。さすがに不謹慎なので昼寝はしなかったが、やはり時々は都会の喧騒を離れて、こういった場所を訪れるのは、やはり気分転換するには打ってつけだ。これもあまり混雑していない年末の初詣の一つの大きなメリットであるかもしれない。