日本医療マネジメント学会に参加して

今月、神戸で開催された医療マネジメント学会にてポスター発表をしてきた。

 

久々に神戸にも行くことができた。ポスター発表前の打ち合わせをしたり、夜は予備校時代の同級生と会ったりしていたので、今回は残念ながら、ほとんど講演を聴くことができなかった。(今は便利で、オンデマンド配信で後日、視聴できるようになっている)

ただ、ポスター発表については隅々まで見ることができ、こういう発表がなされている学会なのだということがよく分かった。やはり、病院長・理事長先生や看護部長・事務長さん達が多く参加されていたようだ。こういった分野の学会参加は初めてだったので、大変新鮮な感じだった。

 

また、このため、企業ブースでの展示も、産業衛生学会とも若干異なった系統の会社が多く、興味深かった。

そんな中で一つ、非常に印象的な企業を見つけた。それは、クラウドファンディングを行っている会社だ。ただ、医療機関に特化したファンディングを行っているとのこと。

最初聞いた時は、医者の副収入アップのためのものかと思ってしまったが、そうでは無かった。

これを使用した医療機関の一つに永寿総合病院があった。ご存知の通り、院内クラスター感染で有名になってしまった病院だ。しかしその後、感染状況等の情報をオープンに開示し、信頼回復に努めていた。

このため、いつしか病院前の通りに「頑張れ病院」といった横断幕が立てられるなど、応援する近隣の住民の方々も増えていった。

感染予防対策費等の資金集めが必要とのことで、このクラウドファンディングを活用したところ、全国から約5千万円もの資金が集まってきたとのこと。

https://www.eijuhp.com/news/20201229.html

この会社の方に聞くと、通常は近郊の方からの資金調達が主であるので、これほど全国的に資金が集まることは珍しいとのことであった。

これはいわば、いわゆる「逆転人生」と言うべきか、きちんと反省すべきことはしっかり反省して、前向きな取り組みを続けていくことで次第に応援してくれる人達が増えていくという、典型的な事例なのではないだろうか。

 

これからの時代、今までとは異なって、しっかり各医療機関が正当なアピールをしていくことによって、国や行政に頼るだけではなく、共感してもらった人達からお金が集められることができれば、その地域のニーズを捉えた医療提供をしていくことができるのかもしれない。

 

こういった点においても、医療関係者だけで考えるのではなく、医療以外の方々にも前向きなサポートをしてもらうことが、「医師の働き方改革」を経て、医療者・医療機関に臨まれる体制を整えていくためには、非常に大切なポイントであると改めて感じた。