オリンピック開催期間中も猛威を振るっていた第5波も、不思議な形で終息していった感がある。ただ、デルタ株の恐ろしさを感じたとともに、やはりワクチン接種の効果も感じざるを得ない結果となった。
実は今年、ワクチン接種のお手伝いをする機会が多かった。
当初は、オリンピック開催が可能となるためには、自分自身、「ワクチン接種修了者数を増やすしかない」と考え、問診のお手伝いを積極的に引き受けるようになっていった。
やはり出身高校や出身大学のトップアスリート達を、何とか世界の晴れ舞台で活躍してもらえるように、少しでもサポートできたらといった、ささやかな思いから始めたものである。
普段の仕事の合間の空いている日や、スケジュール調整をして、スポットでお手伝いをしていたため、結果的に様々な接種会場に赴くこととなった。
ほとんどが自治体で運営している接種会場であったのだが、その運営方法は、予想以上に千差万別だった。
そもそも、その自治体が持っている体育館や公民館・市役所などを有効活用するわけなので、接種会場の広さが全く異なる。広いところもあれば、かなり狭いところもある。
また、公民館などであれば空調は問題ないが、体育館であれば空調があまり効かない所ももちろんあった。真夏に空調の効いていない昔ながらの体育館が接種会場だった時は、本当に会場運営に携わっているスタッフ全員が汗だくで対応されていた。これが毎日だと聞いて、本当にこれは大変な業務だと感じた。
実際には、本当に運営者の方々からすると、そういった大小様々なトラブルシューティングが必要であったであろうし、非常に大変だったことも多かったと思う。
こういった経験は、すでにコツがわかった頃には、ワクチン接種も落ち着いてきてしてしまい、次に繋げるということはなかなかできないのかもしれない。しかしながら、日本人が苦手とされてきた「前例のないこと」を試行錯誤しながらもどんどん決めていくという作業を、日本全国で否が応でもせざるを得なかったというこの2年間の経験は、今後何かしらにきっと役立っていくのではないだろうか。
特に、日本人が「前例のないこと」を決めることに対して抵抗感少なく、今までよりも積極的になっていけるとよいなと思う。