ワクチン会場が変わると、医師の問診場所と看護師さんが実際にワクチン接種するスペースの配置が大きく異なる。
特に当初は、誰も要領が分からない状態で慌ただしく始まり、しかも会場を押さえることも急すぎて、接種希望者に見合わないような会場の広さしかないことも散見された。
特に高齢者接種が行われていた頃は、医師の問診と看護師の注射スペースが隣り合わせになってしまうと、高齢者などがどうしてもゆっくりしか動けないとかいった場合に、どうしても問診を一旦ストップせざるを得なかった。また、15分の経過観察の場所が数多く確保できないところでは、問診・注射が順調に終わっても、経過観察者数に限りがあるため、また問診がストップしてしまうということが起こったりもしていた。ワクチン接種開始当初は、そういったトラブルが次々に発生し、その都度スタッフが対応に追われ、苦労されていた。
このため、「他の会場では医師の問診ブースと看護師の注射スペースの間にスペースを取っているところがありましたよ」と、主催者の方に僕から情報提供するようなこともあった。
また、場所によっては、医師の問診と看護師の注射を1箇所にまとめている会場もあった。これだと、医師と看護師がずっと一緒にいるため、否が応でも少しは会話せざるを得なくなる。実際には会話をしなくてもよいのだが、さすがに1日中、一緒の場所にずっといるため、全く会話しないのも居心地が悪くなってしまう気がする。
僕も2度ほどそういった会場に行ったことがあるのだが、看護師さんは、相手の医師が外れだと、セクハラまがいな会話につき合わされたり、必要もないのに関係ない話しをずっと聞かされたりと、ワクチン接種以外のストレスが強すぎると嘆いていた。
彼女たちの話しでは、真偽のところはもちろん分からないが、高齢の開業医の先生が最も面倒だといった内容がちょっと印象的だった。
実際には、どの程度会話しておくのがよいのか、正直、僕も悩ましかった。
問診とは別に、経過観察場に医師として待機する方針を取っている自治体もあった。
ただ、ほぼずっと座っているだけで、これは僕のような性格の人間にはかなり辛かった。
また、問診が終わる度に、必ずスタッフがアルコールで、接種希望者が座った椅子を拭いている自治体もあった。その気持ちは分からないでもないが、それを言ってしまえば、すべての公共交通機関でそれをしなければならないということになるかもしれないし、実際には行われていなくても、それによってクラスター感染が起こっているわけではないので、どこかのタイミングでその作業を中止してもよかったのではないかと思ってしまった。
基本的には、どの自治体も非常に手厚い体制を取って、接種会場の運営されていた。そういった涙ぐましい配慮が、結果的には安全でかつ、トラブル発生を防ぎ、ワクチン接種に対する世の中のイメージを悪くすることなく、若者も含めて接種修了者がかなり増えてきたポジティブな要因の一つだったのではないかと感じる。
本当に、関係者の皆様、お疲れ様でした。