「漫画家の水島新司氏が昨年12月で引退すると所属事務所が発表した」との報道が一斉にされた。
人気漫画「ドカベン」や「あぶさん」など野球を題材にした作品で知られていたが、63年間もマンガを描き続けてきたとのこと。
何を隠そう、僕の中のベスト1の漫画は「ドカベン」である。
小学生当時、本当に毎週、本屋で少年チャンピオンを立ち読みしては、ハラハラドキドキしていたことを、今でも鮮明に覚えている。
ドカベンを知ったのは小3の時。隣のマンションに住んでいた仲良しの同級生から「ドカベン13巻」を誕生日プレゼントでもらったのがキッカケで、ドハマリした。
それまで、全く知らずに、途中の13巻から読み始めたため、最初は何のことかよく分からなかったが、読み進めていくうちに夢中になった。
そして、1~12巻も小遣いをためては買いに行き、14巻以降も発売になれば買いに行くといった、小学生にとっては、かなりの投資を延々と始めることとなる。
山田太郎という、主人公の地味さには驚いたが、周りの岩鬼や殿間のキャラクターは最高だった。そして、最後は山田太郎がホームランを打って勝負を決める。ど派手なキャラクターでなくても、内なる闘志と冷静な判断があれば、威張っているような奴らでもやっつけられるというのは、あの当時かなり新鮮だった思う。
そして、僕自身は、小さな巨人の里中が、炎天下の甲子園でその体格のハンディに負けず、必死に投げ続ける姿は、体の小さかった僕には非常に励みになった。そして、微笑み三太郎や名脇役達。
そして、お金持ちだから勝つとか、体が大きいから勝つといったのとは対照的に、そのハンディを乗り越えることが大切だということも、マンガながらに色々と教わった。
その他の有名な代表作には、あぶさんなどがある。
僕ら関西人は、まだなじみがあったが、南海ホークス時代の野村克也や、広瀬・江本など、現役選手がそのままマンガになって登場するなど、今の時代では、とても著作権の問題などで実現できないのではないだろうか。そういった意味では、古き良き時代であったし、水島新司とこれらプロ野球選手たちとの信頼関係があってこそのプロ野球漫画であったと思う。
実は、ドカベンのプロ野球編は全部読み切れていない。
今はコロナで、なかなかマンガ喫茶にも行けないが、コロナが落ち着いたらやりたいことの一つとして、考えておきたいと思う。