今シーズンは、例年になくプロ野球で活躍した選手の引退発表が目立っている。
その中でも、私自身、非常に印象的なのは中日ドラゴンズの浅尾拓也投手である。
私は関西生まれ・関西育ちなので、ドラゴンズファンではないのだが、まさしく「敵ながら天晴れ!!」の選手だった。
一見、とても速球勝負できるような風格を感じられない華奢な体にもかかわらず、当たり前の様に150km/hのストレートをガンガン投げていた。
また、その投球フォームも、タイガースの藤川球児投手のようなしなやかなフォームではなく、あたかもピッチングマシンのようなテークバックが小さく腕の振りが速いスリークォーターで、変化球も素晴らしかった。
この夏、テレビでイケメンのプロ野球選手をアンケート調査していたが、ダルビッシュ有投手などを抑えて1位に輝いていた。女子ファンからは「浅尾きゅん」と呼ばれていたそうだ。
華奢でジャニーズレベルのイケメンにもかかわらず、高校時代に投手へ転向する前にやっていた捕手の投げ方といった意外な投球フォームで剛速球を投げる。そして、2011年には年間防御率が0.41と超驚異的な数字で、セットアッパーとして初めて年間リーグMVPに輝いた。
そして、出身高校・大学は強豪校ではなかったにもかかわらず、コツコツと実績を積み上げて、プロの世界で開花させた。
正直、当時、自分の息子がプロ野球選手カードを集めていたのだが、浅尾投手のカードを当てた時はちょっと喜んでしまった。
引退会見では、「悔いは本当にない。幸せな野球人生を過ごせた」と笑顔で語っていた。本心はもちろんわからないが、優勝当時の落合監督からは、「浅尾と岩瀬でやられたら仕方ないんだから。それだけ2人を信頼している」と絶大な信頼を寄せられた名投手。本当にお疲れ様でしたと言いたい。