世の中がこういう緊急事態になってきて、マスクやアルコール消毒液の入手困難が深刻化した時に、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの買い占めも起こったりするのかなと、何となく思っていたが、実際に現実に起こってしまった。
デマと解っていても、買い占めてしまう。こういった緊急時の人間の真理が如実に現れた現象といえる。これが本当のパニック騒動の誘因になってしまったりすると、本当に危険な状態になることにも繋がりかねない。
とは言っても、「本当にトイレットペーパーは不足してないの?」と思ってしまうのも、多くの方が持っている疑念だと思う。
ちょうどそういった時に、面白い記事を見つけた。その記事は、2020年3月5日の日本経済新聞の静岡(地方)版の記事である。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56373270U0A300C2L61000/
静岡県富士市エリアは、紙・パルプ・紙加工品の出荷額が国内首位で、主要な大手製紙工場がひしめいている。この記事はこのエリアの工場を取材していた。
記事によると、「昨年10月の増税後に余剰気味だった在庫と工場生産で十分対応できる量で、「供給面に問題はない」(担当者)とみている」とのこと。
何と実は、消費税増税直前の昨年9月に、トイレットペーパー等はかなり買い占められており、増税後の10月以降は在庫がダブついていたとのことらしい。
それを、よりにもよって「入手困難‼」といったデマが流れたことによって、在庫一掃セールと化してしまったことになる。こんな滑稽な話しも、こういったパンデミックの状態では深刻な社会現象となってしまうのである。
実際に、私が行かせてもらっている沼津市内の糖尿病内科クリニックの看護師さん達の情報によると、沼津市内の大きなホームセンターに、最近うず高くトイレットペーパーが積まれていて、大売り出ししていたとのこと。これこそ、富士の製紙工場から、大量の在庫が運ばれてきたということであろう。
ただ、どうしてもトイレットペーパーやティッシュペーパーは嵩張るため、一度に大量に運べないとのこと。このため、富士から遠い所ほど欠品が続きやすい状況になっているらしい。
この様な、裏話を知ることができれば、デマで扇動された不安感も拭うことができるのではないだろうか。そういった意味でも、正しい所から正しい情報をきちんと得るように心がけていくことが、やはりこういった緊急事態の際にこそ、より求められるという、教訓的な出来事であろう。