今月に入りいきなり驚いた情報がロイター通信や日本経済新聞などで報道されていた。
アメリカ製薬大手のイーライリリー社は、糖尿病治療に処方されるインスリン製剤の「ヒューマログ」と「ヒューマリン」について、今年後半から定価を70%引き下げると発表したとのこと。
バイデン大統領が、大半の国民がインスリンの自己負担額を35ドルまでとする制度を設け、メディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険)の加入者にこれを利用してもらえる取り組みを推進中で、これはこの加入者達がインスリン治療を受けられるようにするためのものと考えられているそうだ。
日本は、国民皆保険制度が確立しているため、ピンと来ないところもあるが、アメリカでは実際に高額過ぎてインスリン費用が支払えない人達も200万人以上いる現状があるらしい。
これが実現したとなると、実際にどんなことが連動して生じるかは想像がつきづらいところがある。ただ、他のインスリン製剤も値下げされることがあったり、成長ホルモン製剤などの他の注射製剤の値下げなどの動きも今後起こっていく可能性は考えられる。
持続可能な社会を実現していくためには、こういった思い切った企業の判断も必要であることを、今回の報道から、我々は知ることができた。日本も含め、SDGsの目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」といったことについて、さらに踏み込んだ取り組みが実現されることが期待される。