先週、11月のさんぽ会で、「脳科学と産業保健」というテーマで講演会があった。
NTTデータ経営研究所の茨木拓也さんと小林春佳さんがご講演をされていた。
全く知らない分野で、かつ、脳科学と産業保健が、既にこんなに密接に関連しているとはかなり驚きであったのと同時に、非常に勉強になった。
いくつも印象的な話しがあったのだが、その中で、
従業員のワーク・エンゲイジメンが高い企業は、低い企業と比較して、収益性が21%上がり、離職率59%や無断欠勤41%減少しているとのこと。
The relationship between engagement at work and organizational outcomes.; JK Harter, FL Schmidt, et al., Gallup 2016
この調査は、ワーク・エンゲイジメントとパフォーマンスの関係を調査するため、339件の研究をメタ解析している。
ワーク・エンゲイジメントとは、活力・熱意・没頭によって特徴づけられる、仕事に関連するポジティブで充実した精神状態のことだが、やはり、会社の収益性や従業員のモチベーションやパフォーマンスと関連があることが分かったことは、非常に興味深い。
その他にも、「嘘をつかないで」ではなく、「嘘つきにならないで」と、「行動」ではなく「人格」そのものに言及する方が、ヒトの心を動かしやすく、虚偽の申告が明らかに減少する。
Bryan, C. J., Adams, G. S., & Monin, B. (2013). When cheating would make you a cheater: Implicating the self prevents unethical behavior. Journal of Experimental Psychology: General, 142(4), 1001-1005.
これなどは、来年度からの働き方法案にて、残業時間が年間720時間以内にすることなどが定められているので、「残業しないで」ではなく、「残業時間の法律違反をしないで」と訴えた方が、就業時間を遵守
するのではないだろうか。
まだまだ興味深い話しはたくさんあったし、私自身、知らないことだらけであったので、是非今後も、これを機会に、脳科学について注目して勉強していきたいと思った。