驚愕の「紋別タッチ」族!!

皆さん、「紋別タッチ」をご存じだろうか?

もし、このワードをご存知なら、それはかなりの飛行機通、いや、あなたは「ANAプレミアム(ダイアモンド)メンバー」なのではないだろうか⁉

 

「紋別タッチ」とは、「全日本空輸(ANA)の東京/羽田〜オホーツク紋別線の同日往復(タッチ)搭乗者」のことを指す…。しかも、今月も「チャレンジ オホーツク紋別タッチ 30days」なるものも企画されているとのこと!!

しかも、目標達成者に対しては、「紋別市長が感謝状と副賞「紋別のうまいもん詰め合わせ」を贈呈」するといった、地元では一大イベントになり始めているということらしい…。

 

一般人の皆さん。意味が分かるでしょうか??

毎日、羽田10:45発-紋別12:30着の飛行機に乗り、すぐさま、紋別13:10発-羽田15:00着の飛行機に乗って帰京する。これを毎日せっせと行っている人達がいるらしい。しかも、一人ではなく、どうも10人も20人もいるらしい。中には、紋別空港から車で15分も行けば紋別の市街地に入れるのに、一度も紋別市内には行ったことが無い、宿泊したことも無いといった人も少なからずいるらしい。

もちろん、無料でこんなことができる訳がない。毎日お金を払って、「紋別タッチ」を行っていると言うから驚愕である。飛行機チケットなので何とも言えないが、片道25000円くらいかかっているとすると、毎日5万円、1ヵ月で150万円の出費となる。

 

この人達を仮に「紋別タッチ」族と呼ぶとして、やはり、この人達のお蔭で地元も助けられているところもある。このコロナ禍で、多くの飛行機が減便となっている中、何とか紋別線は毎日の運行を維持できている。この「紋別タッチ」族がいることはANAも認識しており、紋別空港に降り立つと、「ようこそ」や「お帰りなさい」といったプラカードでANA関係者も紋別関係者も出迎えをしている。

実は空港に到着すると、昔ながらのタラップを降りて数10m先の建物内に入っていくのだが、その空港の2階のお見送りできるベランダのようなところで、数人の人達が、熱烈に手などを振って歓迎してくれる。これは、出発時にも行われており、離陸して見えなくなるまでお見送りしてくれている。

 

このため、この「紋別タッチ」族は、そのお見送りが見える窓側のA席を予約している人も多いとのこと。

しかも、空港に到着してから離陸するまでの時間が40分しかないため、実際に乗客が乗り降りをする時間は30分弱ほどしかない。

「紋別タッチ」族も紋別関係者も、ANA側に迷惑はかけられないと、みんなでスムーズに乗り降りを行い、出発遅延が起きないように、本当にチームプレーで毎日紋別空港内を速やかに移動しているらしい。そして、時にはゆるキャラの紋太くんの着ぐるみが出迎えてくれたり、紋別のTシャツを配ったりと、移動の合間を盛り上げたりもしているので、空港は部外者からすると、不思議な盛り上がりをしていて、ちょっと理解不能な雰囲気すらあった。

もう、まるで自然発生的に起こってきたサークル活動のようである。

 

さらに今後は、たまには紋別市内も観光しようと、このメンバーで市内観光ツアーも企画が始まっているとのこと。

一般人には、「ANAダイアモンドメンバー」になることの価値がどれほどのものなのかとか、そもそもどんな人達がこんなことをしているのかとか、色々分からないことばかりで、理解し難いと思う。

 

ただ、どうも話しを聞いていると、「紋別タッチ」族も紋別関係者も、ANA・空港関係者側もWin-Winの関係で、しかもみんながこのイベントを楽しみながら行っている様子がうかがわれる。

そして、それが地方と首都を結ぶ大事な路線を守ってくれているのであれば、そんな有り難いこともないのかもしれない。

世の中には、こういった世界もあるのだと、こちらも柔らかな考え方をしなくてはならないのかも…。