慶応義塾大学病院は、1999年に289グラムで生まれた東京都の女性が6月に20歳になったと発表した。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2019/7/23/190723-1.pdf
成人を迎えた日本人としては、最小出生記録という。病院によると女性は、妊娠23週に289グラムで出生。当時、世界で3番目に小さく生まれ、日本では最小だった。高校ではバスケ部に所属し、現在は企業で働いているという。女性は「20年間楽しく過ごしてきました。ここまで育ててくれた両親に感謝しています」とのコメントを出した。
千グラム未満で生まれた赤ちゃんは超低出生体重児と呼ばれ、体の機能が未熟で合併症が起きやすく、命に危険が及ぶ場合もある。医療技術の進歩で救命率はこの半世紀で10%未満から約90%に上がった。
(日本経済新聞 2019年7月24日 朝刊)
289gで出産し、20歳になって成人されたということは、本当に凄いことだと思う。これも、日本の医療技術が極めて高いことを示した象徴的な記事ではないかと思う。
この記事を、なぜ僕がブログで紹介するのか、ちょっと不思議に思われるかもしれない。
実は、この女性の20歳のお祝いということで、僕の妻が先日、彼女の自宅まで行かせてもらって来た。
その時一緒に撮った写真も、帰ってから見せてもらった。
1999年当時、僕の奥さんは慶応大学病院NICUの看護師として働いていた。
まだ新米の頃だったにもかかわらず、この子の担当になっていたようで、当時からよく話しを聞かされていた。そして、この子のご両親とも仲良くなったようで、退院後もずっと年賀状のやり取りをしていた。
このため、基本、年賀状の写真だけではあるが、僕自身もこの子の成長をずっと見せてもらっていた。
実際、僕の奥さんも、久しぶりに直接会って、「非常に元気そうで、しっかり社会人をしていた」と嬉しそうに話しをしていた。
289グラムで生まれた赤ちゃんか、どんな風に元気に育っていくのか、どんな障害が残るのか否かは、当時の小児科の先生方も予測がつかないところがあったようだ。
ただ、今回、この様に無事成人され、きちんと高校を卒業し、社会人で働いておられることが、世の中に知られることによって、現在、超低出生体重児で生まれた子の子育てをされている親御さん達にとっては、非常に勇気づけられるニュースなのではないだろうか。
是非みなさんも、プレスリリース内に、出生直後でNICUに入院中の写真と、最近の写真とが掲載されているので、一度見ていただければと思う。