昨日の日経新聞の朝刊に、「産業医 交代相次ぐ;社員の健康管理、法改正で見直し 知見不足の医師排除」というタイトルで、産業医関連の記事が載っていた。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20191212&ng=DGKKZO53238770R11C19A2CR8000
記事にもある通り、産業医の役割を強化する働き方改革関連法が今春に施行されたこともあり、産業医を再選任する企業が相次いでいる。一番典型的な例は、ストレスチェック後の社員の面接指導を産業医に求めたところ、断られてしまったという事例。今までは、まさに「腰かけ産業医」が多く存在し、結果として産業医の『名義貸し』が横行していた。しかし、令和の時代に入り、企業は産業医を活用し、電通の新人女性社員の自殺のような過労死事案を防ぐことが、社内での重要課題の一つとなっている現在では、「実務経験が豊富で企業の要望に十分に応えられる産業医」がますます強く求められるようになってきている。
その産業医の二極化が浮き彫りとなってきていることを、この記事は上手に表現しているなと感じた。
実は今回、僕も日経新聞の記者の方にインタビューを受けていた。
そもそものきっかけはhrms-jp医療人事労務マネジメント研究会代表の社会保険労務士である河北隆さんから、日経新聞の取材を受けてみないかとお誘いがあり、同席させていただいた。
2時間近く、今回の産業医腰掛け問題や、医師の働き方改革についてなど、ざっくばらんに色々ディスカッションすることができた。
残念ながら、僕の名前は記事に出ることはなかったが、まずは「医師の働き方改革」についてなど、自分が取り組んでいる内容などの話しを聞いてもらえたことは大変良かったと思う。
そして、記者の方から、最近産業医を変えた企業や、産業医派遣について詳しい人を紹介してほしいと言われたので、あるIT企業と、メディカルトラスト(現 日本産業医支援機構 執行役)の佐藤典久さんをご紹介した。
そういった取材の内容も記事に含まれていたが、最近は産業医業界が良い意味でもそうでない意味でも、注目度がどんどん高まってきており、世の中的にもホットな領域になって来ているのを、日々肌で感じる。そして、先月のセミナーで河北社労士とともにご一緒させていただいた、企業内弁護士等で活躍され、労務関係に詳しい、小島健一弁護士が「産業医が労使の対立の仲裁を求められる場面が増えており、生半可な知識では役割を果たせない。」とコメントされている。全くその通りだと思う機会が本当に増えてきており、そういった意味では、日頃からしっかり勉強や情報収集を行っていかなくてはと、改めて気が引き締まる思いである。