「人生を変える!「コーチング脳」のつくり方」を読んで

「人生を変える!「コーチング脳」のつくり方」(宮越大樹 著:(株)ぱる社2021)を読んだ。

読み終わった本を次から次へとブログに上げている感じなので、あまり分別が無いように思われてしまうかもしれないが、いずれも内容が素晴らしいのでご容赦願いたい。これは、僕のセレクトが良いのではなく、コーチングについて書かれている著者達が、熱い思いを持って、さらに多くの人に知ってもらいたいという思いがあるからこそなのではないかと考えている。

この本も、まさにそんな1冊ではないだろうか。

特に、第1章のインパクトが強い。いわゆる「しくじり先生」の内容から始まっている。

著者自身、コーチングを知る前は、ついつい「何でこんなことも答えられないんだ。だからお前はダメなんだよ」と言ってしまう上司であったとのこと。そして、当然の流れとして、部下達から嫌われる存在で、チームとしても崩壊状態であったとのこと。

一念発起し、自分が変わる必要性があると感じたコーチングを学び始めたものの、「最初にやってみたコーチングは悲惨なもの」だったという。しかし、決して諦めなかった!

「諦めなかったのは、未来を変えたいという意識が強かった」からだ。

そこで、アドラー心理学をベースとしたコーチングを教えてくれる恩師と出逢い、コーチングについても、アドラー心理学についても学ぶようになったとのこと。

そこから、「人は、望んでいるものになれる」と考えられるようになり、「行動も自分で選択」していくようになった。

近年、欧米では、コーチングはコーチング心理学という学問として盛んに研究され始めている。そして、コーチングもそもそもはアドラー心理学が源流と考えられており、最近ではポジティブ心理学の中の1つとして分類されるようにもなってきている。このため、アドラー心理学を学びながらコーチングを学んでいくということは非常に理にかなっていると言えるのかもしれない。

そして著者も、始めた当初は「自分らしく生きる」ために学び始めたものが、徐々にアドラー心理学の「共同体感覚」という概念にも後押しされ、「周りの人と助け合いながら暮らす」ことにも取り組み始める。

詳細については、本文を読んでもらえればと思うが、やはり自分の失敗談から始まる話は非常にインパクトがあり読みやすいし、説得力もある。

コミュニケーションや職場の雰囲気作りに悩んでいる人には、まさに人生を変えてくれるかもしれない1冊ではないだろうか。