先週末、認知症と糖尿病というテーマで、東京都健康長寿医療センターの荒木厚先生のご講演を聴く機会があった。
認知症と糖尿病との関連についてや、糖尿病患者の認知症の危険因子などの最新エビデンスを数多くご紹介していただいた。
また、今後の高齢者糖尿病の血糖コントロールガイドラインを活用するにあたり、認知機能のカテゴリー分類をする時に、DASC-8といった評価手法を用いることが今後有用であろうとの、見通しを示された。確かに、認知症の専門家ではない我々にとって、簡便に認知機能のカテゴリー分類できることは、大変有り難いことだ。
また、個々の高齢者の状態をきちんと評価した上で、糖尿病についても治療方針を決めていくことが大切ともお話しされていた。
このため、「今後、訪問看護師やソーシャルワーカーと連携を図る必要があると考えられるが、そのためにはどの様な注意点があるでしょうか」と質問させていただいたところ、「これらの糖尿病の専門ではない医療職の方々に、我々糖尿病専門医から、より積極的に糖尿病の知識を知ってもらうよう啓蒙していく必要があるのではないか」と回答されていた。
この回答を聴いて、地域でも職域でも、高齢者医療と予防医療と対象にする年齢層に違いがあるにもかかわらず、ともに糖尿病が専門でない医療職の方々と糖尿病医療チームとの益々の密なる連携が重要になってきたのだなということを、改めて感じさせられた講演でもあった。