文化庁の検討会議が実施した文化部活動実態調査によると、中学校と高校の吹奏楽部の半数近くが、土曜日に5時間以上活動するなど、一部で練習が長時間に及んでいることが分かった。コンクール出場に向けた準備などが理由と考えられるとのこと。
文化庁は、生徒や教員の負担軽減のため策定中の文化部活動に関する指針に、休養日や活動時間に関する目安を盛り込む方針だという。
先月19日の毎日新聞や、今月14日の日本経済新聞朝刊でも報道されていた。
正直な感想を言わせていただければ、非常に妥当な調査結果だったと思う。
実際に私が吹奏楽部に所属していたのは、もう30年も前の話しなので、最近の現状は具体的には分からない。
ただ、都道府県の代表になり、地方大会の代表になり、全国大会出場をしていくためには、今の時代においても、どうしても相当の練習量をこなさざるを得ないと思う。
私の所属していた高校の吹奏楽部は、当時の強豪校としては珍しく、平時の日曜日は休みだった。ただ、授業が有る無しに関わらず、毎朝8:00きっかりからラジオ体操を部員全員でグランドに円形になって行い、夜は20:00までは音出し練習していた。
朝は8:00前に必ず部室について、着替えたり楽器を出したりしていたし、夜も音出し練習後も、細々とコンクールの準備や定期演奏会の準備などを行っていた。このほとんどに当時の顧問のM先生はずっと付き合ってくれていた。
今更ながら考えると、M先生も本当によく、物分かりの悪い男子生徒たちに年がら年中、一生懸命に情熱を注いでくれたものだ。
毎月の勤務時間・残業時間は、今でいうブラック企業の域をさらに超えた数字になっていたに違いない。
正直、練習時間のとてつもない多さに辟易して、高校卒業時、二度と楽器はやらないと心に誓っていた。
それが3年後に覆ってしまい、結局いまだに楽器を吹き続けているのだが…。
結果を出すためには、センスがないなら練習しなければ上手にはならない。しかし、それがエスカレートしてしまうと、いつまでも中高の吹奏楽部の練習時間は短くならない。
どういう風に落としどころを見つけていくか、本当に難しい課題であるが、10代の若者達がハッピーになるような制度になっていけば良いなと切に思う。