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「フィードバック入門:中原淳 著、」PHPビジネス新書を読んでみた。
中原先生は東京大学の大学総合教育研究センター准教授を経て、昨年から立教大学経営学部教授をされている。ご専門は企業・組織における人材育成・リーダーシップ開発とのこと。

今回の本のサブタイトルは、「耳の痛いことを伝えて、部下と職場を立て直す技術」となっていた。
実際に本の内容も、このサブタイトルに沿った、組織の中でいかに上手く「部下に機能して働いてもらう」ために、部下にフィードバックを行う時に、どの様なことに気をつければよいかを詳しく説明されていた。そしてそれだけではなく、同時に、このフィードバックを行うためには、その職場がフィードバックを行うことに対して本気の覚悟を持つ必要があり、そのためにはコストや時間をかけることに対してもしっかり受け入れる覚悟が必要だと話されていた。

そして、様々なフィードバックを行うための技術・テクニック的なことも、かなり具体的にかつわかりやすく説明されていた。
現実として、フィードバックを行ったとしても、部下が上手く受け入れられない時などに、上司はどの様に考えて、対応していけばよいかもしっかり示されていた。

ここまで、現場に則した内容で具体的に開設された本は、なかなかないのではないかと感じる。
そして、非常に印象的だった言葉は、「フィードバックを受けたことがない人に、フィードバックはできない」や、「(自らが)フィードバックを受ける機会を作ることは、…自分を成長させ続ける上でも非常に重要なこと」といった、まさしく現場主義的な叩き上げ感のある、リアリティの籠った言葉であった。

私も、正しくそう思う。
今の医療現場で、特に医師は、上司になればなるほど、フィードバックを受ける機会は滅多にない人が多い。しかし、これから医療現場においても「働き方改革」が求められている時代に、お互いに様々な角度からフィードバックを受ける機会は大変有用である。
そして、自分がフィードバックを行うために、「必要なデータを事前に部下の行動を観察することで徹底的に収集していくことが求められる」とも書かれていた。これも本当に大切なポイントで、そのためには、やはり上司は現場に常に目を向け、普段から様々な立場の人とのコミュニケーションを行っている必要がある。

結局、コミュニケーションを取れるか否かが、これからの時代、個人としても組織としても、将来的に生き残っていけるかどうかに、大きく影響されるのではないだろうか。そのために、この本は「お勧めされる本」の1冊だと思った。