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今年もインフルエンザ予防接種のシーズンになってきた。先日のさんぽ会では、HIVの話しに加えて、職域におけるインフルエンザワクチン接種の実情についても話しがあった。内藤先生もお話しさせていたが、医療機関では毎年、この時期になるとインフルエンザワクチンを全スタッフが接種する。一方で、企業では、なかなか接種されない方も多く、多くの企業の産業保健スタッフは、これらの対策に悩まされている。

 

これがHPVワクチンとなると、さらに話しがデリケートになり、話題に挙げることでさえタブーになっているようなところがある。

ただ、多くの医療者は自分の娘にはHPVワクチンを接種させようと考えている様子は伺える。

先日、糖尿病外来でお世話になっている、あそうクリニック(静岡県・沼津市)の麻生先生と、お互い娘を持つ親として、そういった話題になり、「10万個の子宮;あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか」というタイトルの本を紹介された。

 

この本の著者は一橋大学社会学部卒業後に北海道大学医学部も卒業したドクターで、WHO西太平洋地域事務局の新興・再興感染症チーム等を経て、現役医師として活躍されているとのこと。また、2017年に子宮頸がんワクチン問題に関する一連の著作活動により、科学雑誌「Nature」等が共催するジョン・マドックス賞を日本人として初めて受賞されたそうだ。

NHKやTBSのニュース番組等で、HANSについての報道については知っていたが、このような賞を受賞されたドクターが日本にいたことは、恥ずかしながら知らなかった。著書の中でも、想像以上に各社マスコミでは取り上げられなかった旨の内容も書かれていた。

HPVワクチン接種者が激減したことは知っていたが、どういった経緯で、現状どうなってきているのかなど、詳細についてはこの本で初めて知ることが多かった。

 

本院勤務時代に、私のネーベンの1人にママさんドクターがいて、彼女は子宮頸がんの治療を行っていた。その女性医師から話しを聞いていて、子宮頸がんの治療の治療をしながら子育てと仕事をしていくということは、本当に大変なのだなということを、医療的知識以外にも実生活も踏まえた情報として、図らずも知ることになった。

日本において、HPVワクチン接種割り合いが70%から1%まで激減したということが、世界中でも話題になったとのこと。本文では、こういった一連の経緯やその根拠の妥当性の是非について等が紹介されている。どういった判断をしていくかは、各個人に委ねられることになるであろう。

ただ、こういった医学的な情報を踏まえて、現状として、私の娘の周りでは少しずつワクチン接種する生徒も増えてきて、おそらく40%程度がすでにワクチン接種を行っているようになってきているようだ。

日本ではそもそもワクチンにおいて、負のイメージが少なからずある状況が続いている。そもそもワクチン接種とは予防医療であり、治療のようにどうしても必須のものではないという概念を抱く一般人の方々も多いのかもしれない。ただ、我々医療者は、これからも医学的エビデンスに基づいて、ワクチン接種を勧めていくことをきちんと判断していく必要があると思う。