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今週、日本糖尿病学会が食事療法に関するシンポジウム「再び日本人にふさわしい糖尿病食事療法を考える」に参加してきた。

 

このシンポジウムは、今までの食品交換の内容とはかなり異なる部分の話しもあり、正直面食らうところも少なからずあった。食事療法といっても、その内容は多岐に渡り、情報量も多かったため、一言では言い表せないが、印象的なポイントもたくさんあった。

 

その1つとしては、高齢者糖尿病患者についての食事療法の考え方だ。

ご存知の通り、高齢者にとっては、糖尿病などの生活習慣病が問題になるのと同時に、サルコペニアやフレイルといった、筋力的な衰えも問題になる。

従って、このフレイル対策のため、蛋白質は1g/kg以上は確保した方が良いのではないかという話題が出ていた。ただ、腎機能障害が認める場合に、どの程度の腎機能までは、この蛋白質量を摂取した方がよいかなど、検討すべき課題も多いとのことであった。

 

また、肥満患者についての指示カロリーは標準体重ではなく、実体重とすべきではないのかという話しも出ていた。標準体重で1日当たりのカロリーを設定しても、少なすぎて現実的ではないのではないかとう意見も出ていた。

 

さらに、非肥満の糖尿病患者についてのカロリー制限について、そもそも低糖質ダイエットにしておけば、指示カロリーは必要ないのではないかなど、今までの食品交換表の中には収まらない手法も取り入れてみてはどうかとの意見もあった。

3大栄養素における炭水化物の摂取割合も、30~60%と、幅広い意見が上がっていた。

 

実際に今後どの程度、従来の画一な栄養指導から枠を広げた内容になっていくかは、私には正直現段階では見当がつかなかったが、今回のセミナーをすべて聴いてみて、糖尿病の食事療法についても「ダイバーシティが求められている」なという風に感じたのが率直な感想だ。

そしてさらに、脂質異常症や高尿酸血症を合併している場合や、すでに動脈硬化症を発症している場合、年齢が高齢化してきた場合など、患者一人一人に合わせて、かなりオーダーメイドな食事指導を行っていくことが求められていると思う。

 

これからの糖尿病患者における食事療法は、食品交換表の内容も含めて、我々が思っている以上にかなりドラマティックに変化していくのかもしれない。