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先週末、日本糖尿病医療学学会の関東地方会があり、参加してきた。

お馴染みの石井均先生や皆藤章先生も出席されており、今回も非常に素晴らしいコメントやご講演をされていた。

 

石井均先生は、ご講演の中で「Beyond Evidence」や「Beyond Technology」といったキーワードを挙げられていた。

もちろんEBMは大切である。それが医療を行う上で大前提である。

しかし加えて、最終的に医師が患者さんと向き合う時に、医師は「糖尿病を持つ人へのアプローチ」として、「糖尿病について外から観察」し【行動】、「糖尿病について内面を知」り【認知】、「糖尿病とともにどう生きるか、生き方を知る」【心理】を意識した上で、患者さんと接することが大切だと話されていた。

 

それを「糖尿病患者さんの在り様」とも石井先生は表現されていたが、患者さんの背景・歴史をなるべく理解した上で、診療を行っていく大切さを、この医療学学会ではまざまざと感じさせられる。今回も、様々な難しい症例・考えさせる症例発表があり、私もディスカッションに加わらせていただいた。

 

また、皆藤先生のコメントやご講演も非常に印象的であった。

皆藤先生は昨年春に京都大学教授を定年退職された。そしてその後、ハーバード大学に半年以上留学されたとのこと。

いつも、心理学的観点から鋭い的確なご意見を話され、我々の普段理解が及んでいない心理的な背景や考え方を教えていただいている。それが今回の留学で益々磨きがかかった印象であった。(私が偉そうに言う立場では全くないのは当然なのだが、)今までずっと厳しい修行をされていたお坊さんが、とうとう誰もたどり着けない領域の「悟り」を開かれた阿闍梨さん(高僧)の様な様相に感じられた。それは、語り口調に気負った様子が全くなく、「淀みのない」言葉でお話しされ、いずれのコメントも本当に様々なことを考えさせられるものであった。これはまさに「知」の吸収ではなく、「思考」するということを、我々に求めておられるのだなと感じた。

 

また、臨床心理学やメディカルコーチング、動機づけ面接といった、「糖尿病を持つ人へのアプローチ」方法についての講座・セクションもあり、これらの手法を糖尿病医療関係者がどんどん手に入れられる場も提供していただく貴重な機会にもなってきている。そういった意味でも、ますますこの学会が充実したものになってきており、糖尿病診療を行う上で、無くてはならない存在になってきたのではないかとも思う。