「時間外労働規制に完全対応 医師の働き方改革 実践ハンドブック」(大澤範恭 著:日本法令2022)を読んだ。
実はこの本、僕が帯にコメントを書かせていただいた。そういったバイアスはもちろんあるが、それを抜きにしても、非常に内容が充実した本となっている。
本のタイトル通り、「時間外労働規制に完全対応」するべく、今年4月に改正された医療法について等、かなり詳しく紹介し、解説してくれている。加えて、「医師の勤務実態の調査・分析方法」や「宿日直の取り扱い」「自己研鑽の取り扱い方」「副業・兼業の労働時間管理方法」など、各項目についても丁寧に説明してくれている。
著者は、厚生労働省で35年間勤務され、その後社会保険労務士事務所を開業され、令和元年に現在の「AIP経営労務合同会社」を設立されている。しかも、日本医業経営コンサルタントの資格も持ち、現在は日本医業経営コンサルタント協会埼玉県支部理事も勤められている。
このため、厚労省の視点、社労士としての視点から、医療経営・労務についてサポートするだけでなく、実際に医療経営コンサルタントとして、病院内にてコンサルタントもされている。従って、医療経営についての本音と建前がよく分かっておられ、実経験に基づいたうえで、この本も執筆されているため、非常に医者が読んでも、痒い所に手が届く文脈で書かれていることが分かる。
そして実際に、現在は埼玉県の医療勤務環境支援センター医療経営アドバイザーもされており、2024年春に向け、埼玉県内を中心にたくさんの医療者がアドバイスをもらい助けられている。
「医師の働き方改革」については、年々法整備されており、法律も含め、その内容はアップデートされている。このため、なるべく新しい本を定期的に購入し、確認・理解続けていく必要がある。
そして、いよいよ「医師の時間外労働規制の適応まで」残り1年半となり、「待ったなし」の状況となってきた。そういった意味で、今年の法改正まできちんと紹介されている本であるので、早速「医師の働き方改革」に関わっているすべての方々にとっては、必読書であると言える。是非、早速ご購入いただければ嬉しいです。