先週末、「医師の働き方改革をみんなで考える」フォーラム~これからの医療業界のゆくえを徹底討論~というタイトルでのセミナーが東京医科歯科大学鈴木章夫記念講堂であり、参加してきた。
日曜日の9:30から17:00までと、休日にもかかわらずミッチリのスケジュールであって、正直疲れたが、大変勉強になった。
厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会の構成員の先生や厚生労働省の医政局医療経営支援課の医療技官の先生など、実際に「医師の働き方改革」を主導されておられる方々から直接お話しを聴くことができた。特別ゲストとして、小池百合子・東京都知事もご挨拶されていた。
医療法人ペガサス馬場記念病院理事長の馬場武彦先生、相澤病院最高経営責任者の相澤孝夫先生、厚生労働省医政局医療経営支援課の政策医療推進官の天辰雄太先生、そして特定社会保険労務士の福島通子氏より、それぞれご講演を聴くことができた。それらを聴いた感想として、まず、「医師の働き方改革」に係るこれまでの経緯や背景について、色々と説明・解説していただき、非常に頭の中が整理された。
まず、強調されていたのは、勤務医は労働者であるということ。この「医師の働き方改革」の話題が出てから、少なからず医師から「医師は労働者ではない」という声が上がっていた。しかし、労働基準法上、使用者の指揮命令下で働き、その報酬として賃金を受ける者(職種は問わない)は労働者であることを認識する必要がある。
そして、2024年度からの医師の時間外労働規制については、A・B・C-1・C-2の4つの水準に分類するとのこと。あくまでも、A水準の960時間以下/年を目指すことが大原則である。しかし、B・C-1・C-2の3つの水準であれば1860時間以下/年の時間外労働が認められることになる。これは、主に第3次救急医療機関や特定機能病院などが対象と考えられている。一方で、これらの該当病院であっても、実際に960時間以下/年の勤務では困難と考えられる対象医師を特定し、都道府県などの審査機構に承認申請を行ってはじめて認められることになるとのこと。将来的(2035年頃)にはすべての医師が960時間以下/年の勤務とすることを目指している。
さらに、コメディカル等へのタスクシフティングや、地域医療における機能分化や役割分担を積極的に行った病院間ネットワークの重要性、そしてAI・ICTの活用、医療機関内の組織マネジメント改革などの、医療・福祉サービス改革による生産性の向上を図ることが「改革プラン」として紹介されていた。
今回の「医師の働き方改革に関する検討会」で検討されていた内容が、予想以上に充実しており、非常に納得しうる提言になっていることに驚いた。そして、これらの提言を実現化していければ、素晴らしい「医療機関の働き方改革」が行えるなと感じた。僕自身も「医療機関内の組織マネジメント改革」など、微力ながらも協力していけるように頑張りたいと思う。