「ポストイクメンの男性育児-妊娠初期から始まる育業のススメ」(平野翔大 著:中公新書ラクレ2023)を読んだ。実は今回も、著者から直々に本をいただいたので、ブログに上げさせていただいた。
著者は、慶応大学卒の産婦人科医。現在は産業医の仕事もされ、そういった中で、「男性の育児・育休」に課題を感じ、育児支援の社会実装案で経済産業省「始動Next Innovator 2021」に採択されている。しかしながら、インターネットで検索してもらうとおわかりの通り、まだかなり若い新進気鋭のドクターである。僕とは昨年、産業医の勉強会で知り合った。
令和の時代は、例えば医師であっても、かつての様にその奥さんが専業主婦ということはほぼ無くなり、共働き夫婦がほとんどである。子供ができれば、どちらかの親が保育園に毎夕、迎えに行かなければならなくなる。
そして、この本の中心的な話題である、両親ともにどれくらい産休を取るかが、今の時代非常に悩ましいところである。
男性も育休は取ってみたいが、一方で、産休で休んでいる間に、自分のポジションが無くなってしまうのではないかといった懸念を抱く人もまだまだ少なくないであろう。
そして、まだまだ男は妻子に弱いところを見せてはいけないと考え、頑張り過ぎてしまって、育休中に「育児で追い込まれた」と感じ、メンタル不調になる人もいるとのこと。
そういった人達を、男性産婦人科医として、サポート支援していこうと考え、実際に行動に移しているところが、彼の凄いところだと思う。
僕は、同じマンション内やご近所に、子供と同世代の家庭がたくさんいた。
当時は、そういった家族が何世帯かで、よく集まって、週末遊びに行ったりしていたので、母親同士も父親同士も情報交換や育児の助け合いをお互いにすることができていた。このため、和気あいあいとした中で、いつも子供たちも楽しく遊ぶ相手がいたので、非常によかったなと思う。そういった、職場以外のご近所づきあいというものが上手くできると、こういった懸念も多くが解消できたりすると思う。
そういった意味でも、どこに住むのかも重要で、ただただ便利でおしゃれな街に住むと、あまり子供がおらず、親が孤立してしまうといったことが起こってしまうこともあるかもしれない。
コロナで、在宅勤務が可能となり、毎日出社しなくてもよくなった人も多いと思う。
そういった若い人が子育てするときに、東京から多少離れた町でも、子供が思う存分遊べる環境で、保育園等にもきちんと入いれて、ご近所づきあいもしやすいところで暮らすことも、改めて重要なのかもしれない。そういったことを、この本を読んで改めて感じさせられた。
本文中にあるように、頑張り過ぎて育休中に「育児で追い込まれた」と感じ、メンタル不調にならないために、まずは「危なくないお父さん」になることは、本当に大切だと思う。楽しく夫婦・家族で子育てしていく。そういったことで悩み困っている若い子育て世代の人たちには必見の1冊!!