このタイトルからして、僕がどこの野球ファンかが分かってしまうと思うが、そんなことはともかくとして、今週、非常に明るい話題があった。
今年1月、26歳の若さで大腸がんが見つかり、手術を施行した、阪神タイガースの“代打の切り札”原口文仁選手が、131日ぶりに1軍復帰し、千葉ロッテ戦にて早速代打で登場。左中間にタイムリー2塁打を放ち、ヘッドスライディングで2塁ベースに滑り込み、元気な姿を見せてくれた。
すぐに代走を送られたのだが、そのベンチに戻ってくる時に、球場内は敵味方関係なくスタンディングオベーションで原口選手を讃えた。ベンチに戻ると選手・コーチなど全員とハイタッチ。矢野監督からは、このヒットを打った時のボールを記念として、直接手渡しされていた。
病気と闘ってきた人を明るく迎えた、心温まる光景であった。
原口選手といえば、東京・帝京高からドラフト6位で2010年に阪神入団。勝負強い打撃が持ち味の捕手で、昨季は代打で23安打を放ち、08年に桧山進次郎がマークした代打のシーズン最多安打の球団記録に並んだ。(2019/1/24 日本経済新聞)
原口選手は自身の体験から、「プロ野球選手の使命として」というキャッチフレーズで、がんの早期発見・早期治療の重要性、一日の大切さ、命の尊さを広く伝えたい。というメッセージを公表している。
また、チャリティーブレスレットを販売し、その収益の全額をガン患者支援団体に寄付していくとのこと。
プロ野球では広島の赤松真人選手(36)が2年半前に胃がんが発覚し、手術を受け、現在も1軍復帰へ向けて頑張っている。
また、ご存じの通り、水泳オリンピックメダリスト候補の池江璃花子選手は、今年2月に白血病であることを公表。今週、一時退院し、自宅に戻っていたことを自身のホームページで明かにした。
現役のスポーツ選手ががんを発症するということは、なかなか一般人の僕らには容易に想像しにくいところがあるが、本当に色々な面で大変な思いをされていると思う。
そして、また元気な姿を見せてくれることが、本当に多くの人に感動を呼び、元気づけられることとなるとも思う。
我々医療者としては、なぜこんなに若くて元気な人達ががんになることがあるのかの、医学的原因究明と、そして原口選手の手記にもあるように、「がんの早期発見・早期治療の重要性」を、さらにしっかりと一般の人達に伝えることが必要であると、改めて感じる。