「組織心理学 見るだけノート」を読んで

「チームのパフォーマンスを最大化する! 組織心理学 見るだけノート」(山浦 一保 監修:宝島社2022)を読んだ。

これは、組織心理学を、網羅的にしかも非常に分かりやすく書かれており、僕のようにあまり専門的なことに詳しくない、初心者向けの本である。特に、2色刷りで全てのセクションに解説用のイラストが描かれており、文章も端的にポイントが書かれているので、無理なく頭に入ってくる。

 

さらに、組織と言っても、会社組織だけでなく、スポーツのチーム活動や医療組織についての事例も書かれており、非常に幅広い分野の人が、誰でも読み進められるようになっている。

 

しかも、多くの方々がリアルに困っているであろう、集団間の対立や、「妬み」を持っている人への対応、チーム間での熱量が異なるスタッフへの対応、組織内での不満や隠蔽気質への対応、さらには謝罪の方法まで、実際の現場で起こっている様々なトラブルについての心理学的対応策を、具体的に提示してくれている。何から手をつけたらよいか分からないという人には、打ってつけの内容ではないだろうか。

 

僕自身は、Chapter2「職場を支配する 集団・組織の本質」が大変勉強になった。

「集団の判断は個人の判断よりも劣る?」や「少数派が多数派に影響を与えることがある?」といったセクションは、日本における年功序列型体制において、年長者や上役が、所謂「古い体質」の弊害として、こうしたことを引き起こしてしまう可能性が考えられる。実際に、日本の有名大企業においても、リアルにこういった体質から経営不振に陥ってしまっているところも見受けられるのではないだろうか。

 

そのためには、どの様な考え方で、どういった行動を取ればよいのかも、「リーダーシップ理論」や「心理的安全性」「コーチング」などを紹介しながら、解説してくれている。

 

こういったビギナー向けの本をまず読んで、自分でもっと知りたいとか、勉強しなければならない分野について、情報を得て、さらに専門的な本などを手に取るのがよいのかなと思われる。

 

ただやはり、常日頃からクオリティ高くコミュニケーションをお互いに取るようにし、「一体感のある組織づくり」を行っていくことが大切なのだと、改めて感じた。僕自身も、さらに内容をきちんと理解していくことができるように、もう少し専門的な本も手に取るようにしていきたいと思う。